○徳島県部落差別事象の発生の防止に関する条例

平成八年十二月二十五日

徳島県条例第三十六号

徳島県部落差別事象の発生の防止に関する条例をここに公布する。

徳島県部落差別事象の発生の防止に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、部落差別の解消を図る見地から、同和地区(歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域をいう。以下同じ。)に居住していること又は居住していたことを理由としてなされる結婚及び就職に際しての差別事象(以下「結婚及び就職に際しての部落差別事象」という。)の発生の防止について県、市町村、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、特定の個人の結婚及び就職に際しての当該特定の個人又はその親族の現在又は過去における同和地区での居住に係る調査(以下「調査」という。)の防止に関し必要な事項を定めることにより、結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生を防止し、もって県民の基本的人権の擁護に資することを目的とする。

(県の責務)

第二条 県は、結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生を防止し、県民の基本的人権の擁護に資するため、国及び市町村と協力して必要な啓発を行うものとする。

(市町村の責務)

第三条 市町村は、結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生を防止し、住民の基本的人権の擁護に資するため、必要な啓発に努めるとともに、県が実施する施策に協力するものとする。

(県民及び事業者の責務)

第四条 県民及び事業者は、この条例の精神を尊重し、自らの啓発に努めるとともに、県及び市町村が実施する施策に協力するものとする。

2 県民及び事業者は、自ら調査を行い、又は調査を依頼し、若しくは受託する行為、調査に関する資料を提供する行為その他の結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生につながるおそれのある行為をしてはならない。

(指導及び助言)

第五条 知事は、県民及び事業者に対し、結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生を防止する上で必要な指導及び助言をすることができる。

(申出)

第六条 調査の対象とされた者又は当該調査の発生を知った者は、その旨を知事へ申し出ることができる。

(勧告等)

第七条 知事は、県内に事務所若しくは事業所又は住所を有する事業者(以下「県内事業者」という。)が自ら調査を行い、又は調査を依頼し、若しくは受託したと認めるときは、当該県内事業者に対し、当該調査を中止すべき旨及び結婚及び就職に際しての部落差別事象の発生の防止のために必要な措置をとるべき旨を勧告することができる。

2 知事は、前項の規定による勧告を行うに当たり必要な限度において、県内事業者に対し、必要な資料の提出又は説明を求めることができる。

3  知事は、県内事業者が第一項の規定による勧告に従わないとき又は前項の規定による必要な資料の提出若しくは説明を拒否したときは、その旨を公表することができる。

4 知事は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該県内事業者に対しその旨を通知し、当該県内事業者又はその代理人の出席を求め、意見の聴取を行わなければならない。

(解釈及び運用)

第八条 この条例は、基本的人権の尊重の精神に基づいて、これを解釈し、及び運用するようにしなければならない。

(規則への委任)

第九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第六条及び第七条の規定は、平成九年四月一日から施行する。

徳島県部落差別事象の発生の防止に関する条例

平成8年12月25日 条例第36号

(平成8年12月25日施行)