○公衆浴場法施行条例

昭和六十年三月二十六日

徳島県条例第十号

公衆浴場法施行条例をここに公布する。

公衆浴場法施行条例

(趣旨)

第一条 この条例は、公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号。以下「法」という。)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。

(平一二条例二三・一部改正)

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

 普通公衆浴場 公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律(昭和五十六年法律第六十八号)第二条に規定する公衆浴場をいう。

 個室付特殊公衆浴場 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和二十三年法律第百二十二号)第二条第六項第一号の営業を行う公衆浴場をいう。

(平一一条例一二・一部改正)

(配置の基準)

第三条 法第二条第三項に規定する条例で定める公衆浴場の設置の場所の配置の基準は、既設の普通公衆浴場(法第二条第一項の許可を受けた者が経営する普通公衆浴場をいう。以下同じ。)の敷地の周囲三百メートルの区域外の場所であることとする。ただし、次の各号の一に該当するときは、この限りでない。

 温泉法(昭和二十三年法律第百二十五号)第二条第一項に規定する温泉を利用する公衆浴場を設置しようとするとき。

 既設の普通公衆浴場の設置の場所と同一の場所で引き続き公衆浴場を経営しようとするとき。

 個室付特殊公衆浴場その他普通公衆浴場とその構造整備及び営業形態を著しく異にする公衆浴場を設置しようとするとき。

 知事が人口密度、土地の状況その他の事情により、公衆衛生上必要があると認めるとき。

(入浴者の衛生に必要な措置の基準)

第四条 浴場業を営む者が講じなければならない入浴者の衛生に必要な措置の基準は、次のとおりとする。

 公衆浴場内の湯げ抜き及び換気を十分に行うこと。

 浴室、脱衣室その他入浴者が利用する場所の照度は、営業時間中、床面のすべてのところにおいて五十ルクス以上とすること。

 主浴槽内の水は、営業時間中おおむね四十二度の温度に保ち、かつ、入浴者のあるときは満水の状態とすること。

 公衆浴場の施設及び営業用の備品類は、毎日清掃を行い、常に清潔に保持すること。

 浴槽水その他入浴に使用する水については、規則で定める水質基準に適合するよう、必要に応じて消毒その他適切な方法により管理を行うこと。ただし、水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第九項に規定する給水装置により直接供給される水(第七号において「水道水」という。)については、この限りでない。

 浴槽水を塩素で消毒している場合は、浴槽水中の遊離残留塩素濃度が規則で定める基準に適合するよう努めるとともに、営業中に少なくとも一回、遊離残留塩素濃度を測定し、その結果を当該測定の日から三年間保管すること。

 浴槽水その他入浴に使用する水(水道水を除く。)については、一年に一回(二十四時間以上継続して使用している浴槽水にあつては一年に二回、浴槽水の消毒が塩素消毒でない場合にあつては一年に四回)以上、規則で定めるところにより水質検査を行い、その結果を三年間保管すること。

 公衆浴場(個室付特殊公衆浴場を除く。)にあつては、浴槽水は、毎日一回以上、これを取り替え、浴槽の清掃を行うこと。ただし、循環ろ過をし、かつ、二十四時間以上継続して使用している浴槽水については、一週間に一回以上、これを取り替え、浴槽の清掃及び消毒を行うこと。

 個室付特殊公衆浴場にあつては、入浴者一人ごとに浴槽水を取り替え、浴槽の清掃を行うこと。

 循環ろ過装置を有する場合にあつては、一週間に一回以上その消毒及び汚れの排出を行うこと。

十一 飲用に適さない水については、誤つて飲まないよう、適切な措置を講じること。

十二 おがくず、熱砂等を使用する場合にあつては、これを定期的に取り替え、常に清潔を保持すること。

十三 所定の場所以外での飲食又は喫煙を禁止すること。

十四 下着、タオル、くし、かみそり等を入浴者に貸与しないこと。ただし、未使用又は消毒済みのものについては、この限りでない。

十五 熱気室その他熱気又は蒸気を使用する入浴設備を有する場合にあつては、常に入浴者の健康状態に注意すること。

十六 浴槽に水がある時は、ろ過器及び消毒装置を常に作動させること。

(平一五条例一四・令二条例三・一部改正)

(風紀に必要な措置の基準)

第五条 浴場業を営む者が講じなければならない風紀に必要な措置の基準は、次のとおりとする。

 七歳以上の男女を混浴させないこと。

 浴室及び脱衣室は、営業時間中、公衆浴場の外部及び七歳以上の異性の入浴者が使用する場所から見通せないようにすること。

 個室付特殊公衆浴場の個室内は、入浴者が共同で使用する通路から常に見通せるようにすること。

 公衆浴場内には、風紀を乱すおそれのある文書、絵画、写真その他の物品を掲げ、又は備えないこと。

 個室付特殊公衆浴場の個室には、鍵をかけないこと。

 従業員に風紀を乱すおそれのある服装又は行為をさせないこと。

(令三条例五・一部改正)

(公衆浴場の構造設備の基準)

第六条 法第二条第一項の許可に係る公衆浴場(個室付特殊公衆浴場を除く。)の構造設備の基準は、次のとおりとする。

 公衆浴場の出入口には、入浴者の履物を収納する十分な数の設備が設けられていること。

 浴槽を有する場合にあつては、次の要件を満たすものであること。

 内のり面積は、三・三平方メートル以上であること。

 縁の高さは、洗い場の床面からおおむね〇・三メートル以上であること。

 必要に応じ、手すり、踏み段等が設けられていること。

 熱気室又は蒸気室を有する場合にあつては、次の要件を満たすものであること。

 室内を容易に見通すことのできる構造であること。

 床、内壁及び天井は、耐熱性の材料で作られていること。

 入浴者の見やすい場所に温度計、時計及び非常用ブザー等が設けられていること。

 熱気箱又は蒸気箱(以下「熱気箱等」という。)を有する場合にあつては、入浴者の見やすい場所に温度計、時計及び非常用ブザー等が設けられていること。

 浴室及び脱衣室には、採光又は照明に有効な設備が設けられていること。

 浴室には、湯げ抜き及び換気に有効な設備が設けられていること。

 浴室の洗い場の床面積は、九・九平方メートル以上であること。

 浴室の洗い場には、水温の調節をすることができるシャワー設備が設けられていること。

 浴室の洗い場には、入浴者が利用することができる十分な数の冷水用及び湯用の給水栓が設けられていること。ただし、浴槽を有しない公衆浴場であつては、利用の形態、規模、シャワー設備の設置の状況等から公衆衛生上支障がないと知事が認めるものについては、この限りでない。

 ろ過器を設置する場合にあつては、ろ過器は、一時間当たり浴槽の容量以上のろ過能力を有し、十分な洗浄及び消毒が行えるものであるとともに、ろ過器に毛髪等が混入しないよう集毛器を備えていること。

十一 気泡発生装置その他微小な水粒を発生させる設備を設置する場合にあつては、連日使用している浴槽水を用いる構造でなく、かつ、点検、清掃及び排水を容易に行うことができ、空気取入口から土ぼこり、浴槽水等が入らないような構造であること。

十二 内湯と露天風呂の間は、配管等を通じて、露天風呂の湯が内湯に混じることのない構造であること。

十三 打たせ湯及びシャワーは、循環している浴槽水を用いる構造でないこと。

十四 脱衣室の床面積は、九・九平方メートル以上であること。

十五 脱衣室には、入浴者の衣類等を保管する十分な数の戸棚等が設けられていること。

十六 脱衣室の床は、板、リノリウム等清掃のしやすい材料で作られていること。

十七 入浴者用の便所が適当な場所に男女別で設けられていること。

十八 水位計を設置する場合は、当該水位計は、配管内を洗浄でき、若しくは消毒できる構造又は配管等を要しないセンサー方式であること。

十九 配管内の浴槽水を完全に排水できるような構造とすること。

二十 調節箱を設置する場合は、清掃しやすい構造とし、レジオネラ属菌が発生しないよう、薬剤注入口を設ける等により塩素消毒等が行えるようにすること。

2 法第二条第一項の許可に係る個室付特殊公衆浴場の構造設備の基準は、前項第三号から第六号まで、第八号及び第十六号に掲げる基準のほか、次のとおりとする。

 個室が、十室以上設けられていること。

 個室の床面積は、九・九平方メートル以上であること。

 浴室と脱衣室が適当に区分されていること。

 個室の扉の床面から一・二メートル以上一・八メートル以下の部分には、縦〇・三メートル以上、横〇・四メートル以上の無色かつ透明なガラス窓が設けられていること。

 浴室には、適当な大きさの浴槽が設けられていること。

 浴室には、内部から開閉できる熱気箱等が設けられていること。

 入浴者用の待合室が設けられていること。

 従業員専用の休憩室が設けられていること。

 各階ごとに入浴者用の便所が設けられていること。

3 知事は、公衆衛生上支障がないと認める公衆浴場(個室付特殊公衆浴場を除く。)については、第一項第二号イ及び第七号第十四号並びに第十七号に掲げる基準の一部を緩和することができる。

(平一二条例二三・追加、平一五条例一四・令二条例三・一部改正)

(水質検査の結果の届出)

第七条 浴場業を営む者は、第四条第七号の規定による水質検査の結果が規則で定める水質基準を超えた場合には、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

(平一五条例一四・追加)

(施行期日)

1 この条例は、昭和六十年四月一日から施行する。

(公衆浴場の配置および措置の基準に関する条例の廃止)

2 公衆浴場の配置および措置の基準に関する条例(昭和三十一年徳島県条例第六十一号。以下「旧条例」という。)は、廃止する。

(経過措置)

3 この条例の施行の日前に旧条例第三条の規定による認定を受けた場所(普通公衆浴場に該当する公衆浴場に係るものに限る。)については、旧条例第四条の規定は、なおその効力を有する。この場合において、同条第一項中「第二条第一項」とあるのは「公衆浴場法施行条例(昭和六十年徳島県条例第十号)第三条」と、「既設の浴場」とあるのは「既設の普通公衆浴場」とする。

(平成一一年条例第一二号)

この条例は、平成十一年四月一日から施行する。

(平成一二年条例第二三号)

(施行期日)

1 この条例は、平成十二年四月一日から施行する。

(公衆浴場法施行条例の一部改正に伴う経過措置)

5 施行日前に受けた公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号)第二条第一項の許可に係る公衆浴場については、なお従前の例による。

(平成一五年条例第一四号)

1 この条例は、平成十五年十月一日から施行する。ただし、第四条の改正規定及び第六条の次に一条を加える改正規定は、同年四月一日から施行する。

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号)第二条第一項の許可を受けて浴場業を営んでいる者に係る公衆浴場については、当該公衆浴場の改築又は増築が行われるまでの間は、改正後の第六条第一項第十二号及び第十三号の規定は、適用しない。

(令和二年条例第三号)

1 この条例は、令和二年七月一日から施行する。

2 この条例の施行の際現に公衆浴場法(昭和二十三年法律第百三十九号)第二条第一項の許可を受けて浴場業を営んでいる者に係る公衆浴場については、当該公衆浴場の改築又は増築が行われるまでの間は、改正後の第六条第一項第十一号及び第十八号から第二十号までの規定は、適用しない。

(令和三年条例第五号)

この条例は、令和三年四月一日から施行する。

公衆浴場法施行条例

昭和60年3月26日 条例第10号

(令和3年4月1日施行)