○徳島県水源林野県行造林条例
昭和二十五年六月二十三日
徳島県条例第二十三号
徳島県水源林野県行造林条例を、次のように定める。
徳島県水源林野県行造林条例
第一条 県は、国土保安及び公益のため、河川上流の保安林又は保安林に編入を予定される民有林において、土地所有者と収益を分収することを条件として、水源林造成のため、人工植栽を行う。
第二条 前条の規定により、造林した樹木は、県と土地所有者との共有とし、その持分は、収益分収の歩合にひとしいものとする。
第三条 県は第一条の規定によつて、造林を行なおうとするときは、実測面積、植栽樹種、植栽予定期間、収益分収歩合、存続期間、その他必要な事項を定め、その土地に地上権を設定する。
第四条 県は、造林地の新植事業を行い、土地所有者は、補植手入その他成林に必要な一切の撫育事業を行うものとする。
第五条 土地所有者は、その提供した土地に関する一切の負担金を負担するの外、造林保護のため、左の義務を負うものとする。
一 火災予防及び消防
二 盗伐、誤伐、その他加害行為の予防及び防止
三 境界標その他標識の保存
四 有害鳥獣及び害虫の駆除
五 知事の承認した看守人の配置
六 知事において指示した事項
第六条 土地所有者は、知事の許可を受け、左の産物を採取することができる。但し、保安林の指定事項に違反するものはこの限りでない。
一 下草、落枝、落葉
二 樹実、菌蕈の類
三 手入のため伐除する枝条
四 植栽後十五年以内において伐採する樹木
第七条 造林着手前の立木で、植栽樹木と共に生育させるものは、造林木とみなす。造林着手後天然に生じた樹木で、撫育したものもまた同じである。
第八条 知事は、公用若しくは公益事業のため、必要あるとき又は造林地の経営に支障がないと認めたときは、土地所有者と協議の上、造林地の採石、切芝、樹根の採掘をなさしめることができる。
第九条 造林地の収益分収歩合は、県十分の二、土地所有者十分の八を標準とし、土地の良否、便否、地代、造林費その他造林及び契約実行に要する費用を勘案して定める。
第十条 造林地の収益分収は、造林木の売払代金で行う。但し、知事において特別の事由があると認めたときは、材積でなすことができる。
第十一条 造林木について、第三者から受けた賠償金その他取得金額は、その請求に要した費用を控除し、収益分収の歩合により分収する。
第十三条 左の各号の一に該当する場合は、知事は契約の全部又は一部を解除又は変更することができる。
一 公用のため又は公益上必要があると認めたとき。
二 契約の目的を達することができないと認めたとき。
三 土地所有者において造林地又は造林に係る持分の処分をしたとき。
四 土地所有者において造林に係る樹木の共有の分割を請求したとき。
五 保安林解除の処分があつたとき。
第十四条 前条の規定によつて、契約を解除したときは、直ちに収益の分収をする。但し、土地所有者が契約の義務を怠つたため収益のない場合は、造林に要した経費を負担させることがある。
第十五条 この条例施行のため必要な事項は、知事が定める。
附則
この条例は、公布の日から、施行し、昭和二十五年一月一日から適用する。