○金属くず取扱業に関する条例

昭和三十一年十月十六日

徳島県条例第五十六号

金属くず取扱業に関する条例をここに公布する。

金属くず取扱業に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、金属くずに関する盗犯その他の犯罪を防止し、その適正な取引を保障するため、金属くず取扱業者が守らなければならない事項を規定し、もつて住民の福祉を保持することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例で「金属くず」とは、金属塊、金属製品(半製器を含む。)その他の金属くず(廃品を含む。)であつて、次の各号のいづれにも該当しないものをいう。

 本来の製造目的に従つて、売買、交換、加工又は使用されるもの

 古物営業法(昭和二十四年法律第百八号)第二条第一項の規定による古物

2 この条例で「金属くず取扱業者」とは、金属くずを売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買し、若しくは交換することを営業とする者で次条に規定する届出をしたものをいう。

(平七条例四七・一部改正)

(営業の届出)

第三条 金属くず取扱業者(以下「業者」という。)になろうとする者は、次の各号に掲げる事項を記載した届出書に六箇月以内に撮影した名刺型半身写真(法人にあつては、その代表者の写真とする。)を添えて、営業所ごとに、徳島県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に提出しなければならない。

 本籍、住所、氏名および生年月日(法人にあつては、その名称、主たる事務所の所在地並びに代表者の住所、氏名および生年月日)

 営業所の名称および所在地

 主たる取扱品目

 居商、行商の別

2 県外に営業所を有する者が県内において業者として営業を行おうとするときは、一年以内の期間を限つて、その都度公安委員会に前項の規定に準じて届出書を提出しなければならない。

第四条 業者は、その従業者に行商をさせようとするときは、前条第一項第一号および第二号に掲げる事項並びに従業者の本籍、住所、氏名、生年月日および業者との続柄を記載した届書に、その従業者の六箇月以内に撮影した名刺型半身写真を添えて、公安委員会に提出しなければならない。

(届済証)

第五条 公安委員会は、前二条の規定による届出書を受理したときは、届済証を交付しなければならない。

2 前項の規定により届済証を交付された者は、当該届済証を他人に貸与し、又は譲り渡してはならない。

3 第一項の規定により届済証を交付された者は、当該届済証をき損し、亡失し、又は盗み取られたときは、直ちに公安委員会にその旨を届け出て、再交付を受けなければならない。

4 第一項の規定により届済証を交付された者は、当該届済証の記載事項に異動を生じたときは、十日以内に、公安委員会にその旨を届け出て、届済証の書換を受けなければならない。

(届済証の携帯)

第六条 業者は、行商をするときは、届済証を携帯し、かつ、警察官の求があるときは、これを提示しなければならない。従業者が行商するときも同様とする。

(届済証の返納)

第七条 第五条の規定により届済証の交付を受けた者は、次の各号の一に該当するに至つたときは、十日以内に、当該届済証を公安委員会に返納しなければならない。

 廃業したとき。

 第四条の従業者が行商に従事しなくなつたとき。

 届済証の再交付を受けた者が亡失し、又は盗み取られた届済証を回復するに至つたとき。

 第三条第二項に規定する者にあつては、その営業の期間が満了したとき。

2 業者が死亡したときは同居の親族又は法定代理人、第四条の従業者が死亡したときは当該従業者を雇用する業者は、前項の規定に準じて届済証を返納しなければならない。

3 法人が解散したときは、当該届済証に記載された代表者は、第一項の規定に準じて届済証を返納しなければならない。

(届済の表示)

第八条 業者は、営業所の見やすい場所に、届出をしたことを証する表示をしなければならない。

(営業の制限)

第九条 業者又はその従業者は、買い受け、若しくは交換するため、又は売却若しくは交換の委託を受けるため、未成年者又はその委託を受けた者から金属くずを受け取つてはならない。ただし、未成年者の同居の親族、法定代理人その他の保護者の同意を受けた場合は、この限りでない。

(相手方の確認および申告)

第十条 業者又はその従業者は、金属くずを買い受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けようとするときは、直接にその相手方の住所、氏名を確め、又は身分証明書、主要食糧購入通帳、定期乗車券等の提示を求める等の方法によつてその相手方の住所、氏名、職業、年令を確認しなければならない。この場合において、盗品又は遺失物等不正の疑があると認めたときは、直ちに警察官にその旨を申告しなければならない。

(帳簿の備付)

第十一条 業者は、帳簿を備え、売買若しくは交換のため、又は売却若しくは交換の委託により、金属くずを受け取り、又は譲り渡したときは、その都度、その帳簿に次に掲げる事項を記載しなければならない。

 取引年月日

 金属くずの品目および数量

 金属くずの特徴

 相手方の住所、氏名、職業、年令および特徴

 前条の規定により行つた確認の方法

2 業者は、前項の帳簿を新調しようとするときは、その帳簿に紙数を明記し、営業所(営業所がないときは、住所又は居所をいう。)の所在地を管轄する警察署長(以下「所轄警察署長」という。)の検印を受けなければならない。

3 業者は、第一項の帳簿を廃棄しようとするときは、所轄警察署長の承認を受けなければならない。

4 業者は、第一項の帳簿をき損し、若しくは亡失し、又は盗み取られたときは、直ちに所轄警察署長に届け出なければならない。

(品触)

第十二条 警察本部長又は警察署長は、必要があると認めるときは、業者に対して、ぞう物の品触を発することができる。

2 業者は、前項の品触を受けたときは、その品触書に到達の日付を記載し、その日から三月間これを保存しなければならない。

3 業者は、品触を受けた日にその金属くずを所持していたとき又は前項の期間内に品触に相当する金属くずを受け取つたときは、その旨を直ちに警察官に届け出なければならない。

(差止)

第十三条 業者が、買受け、若しくは交換し、又は売却若しくは交換の委託を受けた金属くずについて、ぞう物又は遺失物であると疑うに足りる相当の理由がある場合においては、警察署長は、当該業者に対し、三十日以内の期間を定めて、その金属くずの保管を命ずることができる。

(立入および調査)

第十四条 警察官は、この条例の施行について必要があると認めるときは、営業時間中において、業者の営業所又は金属くずの保管場所に立ち入り、金属くずおよび帳簿を検査し、関係者に質問をすることができる。

2 前項の場合においては、警察官は、その身分を証明する証票を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

3 警察本部長又は警察署長は、業者からぞう物又は遺失物に関し、必要な報告を求めることができる。

(罰則)

第十五条 次の各号の一に該当する者は、三月以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

 第三条の規定による営業の届出をしないで金属くずを売買し、若しくは交換し、又は委託を受けて売買若しくは交換した者

 第四条の規定による届出をしないでその従業者に行商をさせた者

 第九条の規定に違反した者

第十六条 次の各号の一に該当する者は、五万円以下の罰金に処する。

 第五条第二項第十条前段又は第十二条第二項若しくは第三項の規定に違反した者

 第十一条第一項の帳簿に所定の事項を記載せず、又は虚偽の記載をした者

 第十三条の規定による処分に違反した者

第十七条 次の各号の一に該当する者は、二万円以下の罰金に処する。

 第五条第三項第六条第七条第八条又は第十一条第二項から第四項までの規定に違反した者

 第十四条第一項の規定に基く立入検査を拒み、妨げ、又は忌避した者

 第十四条第三項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者

(両罰規定)

第十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人、その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前三条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する。

(委任規定)

第十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、公安委員会規則で定める。

1 この条例は、昭和三十二年一月一日から施行する。

2 この条例施行の際、現に第二条第二項の営業を営んでいる者は、この条例施行の日から三十日を限り、業者とみなす。

(平成四年条例第三六号)

この条例は、平成四年五月一日から施行する。

(平成七年条例第四七号)

この条例は、平成七年十月十八日から施行する。

金属くず取扱業に関する条例

昭和31年10月16日 条例第56号

(平成7年10月12日施行)