○棚野ダム管理規程

昭和五十二年六月二十八日

徳島県企業管理規程第八号

棚野ダム管理規程を次のように定める。

棚野ダム管理規程

目次

第一章 総則(第一条―第六条)

第二章 ダム及び調整池の管理の原則

第一節 流水の貯留及び放流の方法(第七条―第十三条)

第二節 放流の際採るべき措置等(第十四条―第二十条)

第三章 出水警戒時における措置(第二十一条)

附則

第一章 総則

(趣旨)

第一条 この規程は、棚野ダム(以下「ダム」という。)の操作方法のほか、ダム及び棚野調整池(以下「調整池」という。)の管理に関し必要な事項を定めるものとする。

(ダム管理に関する責任者)

第二条 総合管理推進センターに棚野ダムに関する責任者(以下「管理主任技術者」という。)一人を置く。

2 前項の管理主任技術者は、部下の職員を指揮監督して、この規程に定めるところにより、ダムの管理に関する事務を誠実に行わなければならない。

(昭五六企管規程一〇・平一二企管規程五・平三一企管規程一一・一部改正)

(ダム及び調整池の諸元等)

第三条 ダム及び調整池の諸元その他これに類するダム及び調整池の管理上参考となるべき事項は、次のとおりとする。

 ダム

 高さ 八・五〇メートル

 堤頂の標高 四十一・五〇メートル

 洪水吐ゲート

(1) ゲートの規模及び数 高さ五・〇〇メートルで幅二十八・〇〇メートルのもの一門

(2) ゲートの開閉の速さ 一分につき〇・三〇メートル

 流量調整ゲート

(1) ゲートの規模及び数 高さ五・五〇メートルで幅三・〇〇メートルのもの一門

(2) ゲートの開閉の速さ 一分につき〇・三〇メートル

 計画洪水流量 毎秒千五百立方メートル

 調整池

 直接集水地域の面積 百三十三・三平方キロメートル

 たん水区域の面積 〇・〇四八平方キロメートル

 最大背水距離 〇・九四キロメートル

 計画洪水位 標高四六・九五〇メートル

(水位計による表示十・九五メートル)

 常時満水位 標高四十一・五〇〇メートル

(水位計による表示五・五〇メートル)

 最低水位 標高三十七・〇〇メートル

 有効貯水量 十三万五千立方メートル

(出水警戒時)

第四条 この規程において、「出水警戒時」とは、ダムに係る直接集水地域の全部又は一部を含む予報区を対象として大雨についての注意報又は警報が行われ、その他出水のおそれがあると認められるに至つた時から、警報又は注意報が解除され、その他出水の発生するおそれがないと認められるに至るまでの間をいう。

2 前項の出水の発生するおそれがあると認められるに至つた時とは、正木ダムの放流が通知されたとき及び発電放流を除く調整池流入量が毎秒三・〇立方メートルを超え、かつ正木ダムからの放流が予想される時をいう。

(昭六三企管規程三・一部改正)

(貯水位の算定方法)

第五条 調整池の水位(以下「貯水位」という。)は、棚野調整池水位観測所の水位計の読みに基づいて算定するものとする。

(流入量の算定方法)

第六条 流入量は、これを算定すべき時を含む一定の時間における調整池の貯水量の増分と当該一定の時間における調整池からの延べ放流量との合算量を当該一定の時間で除して算定するものとする。

2 前項の貯水量の増分は、同項の一定の時間が始まる時及びこれが終わる時における貯水位にそれぞれ対応する調整池の貯水量を別図第一により求め、これらを差引計算して算定するものとする。

第二章 ダム及び調整池の管理の原則

第一節 流水の貯留及び放流の方法

(ゲートの呼称)

第七条 個々のゲートは左岸に近いものから右岸に向かつて「洪水吐ゲート」及び「流量調整ゲート」という。

(流水の貯留の最高限度)

第八条 貯水池における流水の貯留は、第十一条の規定による各ゲートの巻上げ完了後、流水の自然増水による場合を除くほか、常時満水位を超えてしてはならない。

(発電放流の調整を必要としない場合)

第九条 発電放流の調整は、次の各号の一に該当する場合に限り、必要としないものとする。

 勝浦発電所の設備の点検等により発電を休止する日又は終日運転を行う日

 その他やむを得ない日

(昭五六企管規程一〇・一部改正)

(ゲートから放流することができる場合)

第十条 流量調整ゲートからの放流は次の各号の一に該当する場合に限り、洪水吐ゲートからの放流は第一号第二号又は第四号から第六号までに該当する場合に限り、それぞれ行うことができるものとする。

 常時満水位を超えるおそれのある場合

 出水警戒時

 下流における他の河川の使用のため必要な河川の流量を確保するため調整して放流する場合

 勝浦発電所において終日運転又は休止をする場合

 ダムその他の調整池内の施設又は工作物の点検又は整備のため必要があるとき。

 その他やむを得ない必要があるとき。

(昭五六企管規程一〇・一部改正)

(ゲートの操作の方法等)

第十一条 洪水吐ゲート及び流量調整ゲートの一回の開閉の動きは、それぞれ〇・五メートル及び一・〇メートルを超えてはならない。ただし、流入量が急激に増加している場合において、やむを得ないと認められるときは、この限りではない。

2 洪水吐ゲート及び流量調整ゲートは、第十条及び第十三条の規定による場合を除くほか開閉してはならない。

3 洪水吐ゲート及び流量調整ゲートは、第九条の各号に該当する場合又は第十三条の規定による予備放流完了後は、全開に巻き上げておき、出水に備えるものとする。

(放流の開始及び放流量の増減の方法)

第十二条 調整池からの放流は、下流に水位の急激な変動を生じないよう、別図第二に定めるところにより行うものとする。ただし、流入量が急激に増加しているときは、当該流入量の増加率の範囲内で、調整池からの放流量を増加させることができる。

(予備放流)

第十三条 予備放流は、第十条の規定により洪水吐ゲートから放流を行う場合をいう。このとき第十二条の規定に適合させるものとする。

第二節 放流の際採るべき措置等

(注意文記載の掲示板設置の区間)

第十四条 注意文記載の掲示板は、ダムから上沖野地点までの間に設置するものとする。

(昭六〇企管規程三・一部改正)

(放流の際の関係機関に対する通知)

第十五条 予備放流の際の関係機関に対する通知は、次条の規定によるサイレン吹鳴前までに、別表第一に定めるところにより行うものとする。

(昭六三企管規程三・一部改正)

(放流の際の一般に周知されるための措置)

第十六条 予備放流の際の一般に周知させるため必要な措置は、ダム地点から徳島市飯谷町下里地点までの勝浦川の区間について、別表第二に掲げるサイレンの吹鳴により、次のとおり行うものとする。

 サイレン吹鳴の時期 放流開始の約三十分前

 サイレン吹鳴の方法画像

(昭六〇企管規程三・一部改正)

(ゲート操作に関する記録の作成)

第十七条 ゲートを操作した場合においては、次の各号に掲げる事項(その開閉が放流を伴わなかつたときは、第一号及び第二号に掲げる事項)を記録しておかなければならない。

 操作の理由

 開閉したゲートの名称、その一回の開閉を終えた時刻及びその開度

 ゲートの一回の開閉を終えた時における貯水位、流入量及び洪水吐ゲート又は流量調整ゲートからの放流量

 発電の開始若しくは終了又は使用水量の変更があつたときは、その時刻及びその直後における使用水量

 第十五条及び第十六条の規定による通知及び警告の実施状況

(昭六三企管規程三・一部改正)

(観測等)

第十八条 ダム及び調整池に係る観測は、別表第三に定めるところにより行うものとする。

2 前項による観測の結果は、記録しておかなければならない。

(点検及び整備等)

第十九条 ダム及び調整池並びにこれらの管理上必要な機械、器具及び資材は、定期に、及び時宜によりその点検及び整備を行うことにより、常時良好な状態に維持しなければならない。特に、洪水、暴風雨、地震その他これらに類する異常な現象でその影響がダム又は調整池に及ぶものが発生したときは、その発生後、速やかにダム及び調整池の点検を行い、ダム又は調整池に関する異常な状態が早期に発見されるようにしなければならない。

2 前項の規定による点検及び整備の状況は、記録しておかなければならない。

(昭六〇企管規程三・一部改正)

(異常かつ重大な状態に関する措置)

第二十条 ダム又は調整池に関する異常かつ重大な状態が発見されたときは、直ちに応急の措置を採るとともに、河川管理者に対してその旨を報告しなければならない。

第三章 出水警戒時における措置

(出水警戒時における措置)

第二十一条 出水警戒時においては、次の各号に掲げる措置を採らなければならない。

 出水時においてダム及び調整池を適切に管理することができる要員を確保すること。

 ダム及び調整池の管理のために必要な機械及び器具、夜間に屋外で作業を行うために必要な照明設備及び携帯用の電灯その他必要な資材の点検及び整備を行うこと。

 気象官署が行う気象の観測の成果を的確かつ迅速に収集すること。

 第十三条の規定による予備放流を行うこと。

 その他ダム及び調整池の管理上必要な措置

この規程は、公布の日から施行し、昭和五十二年五月十一日から適用する。

(昭和五六年企管規程第一〇号)

この規程は、公布の日から施行する。

(昭和六〇年企管規程第三号)

この規程は、昭和六十年九月十日から施行する。

(昭和六三年企管規程第三号)

この規程は、公布の日から施行する。

(平成一二年企管規程第五号)

この規程は、公布の日から施行する。

(平成一三年企管規程第八号)

この規程は、公布の日から施行する。

(平成一四年企管規程第七号)

この規程は、公布の日から施行する。

(平成一八年企管規程第九号)

この規程は、公布の日から施行する。

(平成三一年企管規程第一一号)

この規程は、平成三十一年五月一日から施行する。

別図第1(第6条関係)

画像

別図第2(第12条関係)

(昭56企管規程10・一部改正)

下流水位上昇(30cm/30分)の場合

下流水位上昇(20cm/30分)の場合

画像

画像

別表第一(第15条関係)

(平18企管規程9・全改)

通知の相手方

通知の方法

名称

担当機関の名称

徳島県知事

県土整備部流域整備企画課

無線電話又は加入電話

徳島土木事務所ダム管理課

無線電話又は加入電話

小松島警察署長

警備課

加入電話

勝浦町長

建設課

無線電話又は加入電話

徳島市長

消防局

無線電話又は加入電話

徳島東警察署長

警備課

加入電話

別表第二(第16条関係)

(昭60企管規程3・全改)

警報所名

所在地

サイレンの出力

摘要

横瀬

徳島県勝浦郡勝浦町大字三渓字平山

5.5kw

 

久国

徳島県勝浦郡勝浦町大字久国字国安

5.5kw

 

星谷

徳島県勝浦郡勝浦町大字星谷字石田

5.5kw

 

沼江

徳島県勝浦郡勝浦町大字沼江字鵜匠

5.5kw

 

飯谷

徳島県徳島市飯谷町下里

3.7kw

 

別表第三(第18条関係)

(昭63企管規程3・全改)

観測すべき事項

観測施設

観測の回数

摘要

名称

位置

構造又は能力

貯水位及び流入量

棚野水位観測所

徳島県勝浦郡勝浦町大字棚野字中瀬

A/Dコンバーター付き自記水位計

毎日1回

流入量は、第6条の規定により、流量は水位の観測の結果に基づき、それぞれ算定する。

棚野ダム管理規程

昭和52年6月28日 企業管理規程第8号

(令和元年5月1日施行)

体系情報
第14編 公営企業/第1章 企業局/第4節
沿革情報
昭和52年6月28日 企業管理規程第8号
昭和56年11月13日 企業管理規程第10号
昭和60年9月6日 企業管理規程第3号
昭和63年12月27日 企業管理規程第3号
平成12年11月10日 企業管理規程第5号
平成13年6月5日 企業管理規程第8号
平成14年12月6日 企業管理規程第7号
平成18年4月1日 企業管理規程第9号
平成31年4月26日 企業管理規程第11号