○徳島県がん対策推進条例

平成二十二年三月三十日

徳島県条例第十一号

徳島県がん対策推進条例をここに公布する。

徳島県がん対策推進条例

(目的)

第一条 この条例は、がんが県民の疾病による死亡の最大の原因となっており、県民の生命及び健康にとって重大な問題となっている現状にかんがみ、適切ながんに係る医療(以下「がん医療」という。)を提供する体制の整備を促進するとともに、がんの治療のみならず、がんの予防及び検診によるがんの早期発見に資するため、がん対策の基本となる事項を定めることにより、がん対策を県民とともに推進することを目的とする。

(県の責務)

第二条 県は、がん対策に関し、国、市町村、医療機関並びにがん患者及びその家族等で構成される民間団体その他の関係団体との連携を図りつつ、本県の地域の特性に応じたがん対策を策定し、及び実施する責務を有する。

(保健医療関係者の責務)

第三条 がんの予防及び早期発見の推進又は医療に従事する者(以下「保健医療関係者」という。)は、県及び市町村のがん対策に協力するよう努めなければならない。

(県民の責務)

第四条 県民は、喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び身体に悪影響を及ぼす生活環境等がんの患の要因を排除するための正しい知識を学び、がんの予防に注意を払うとともに、積極的にがん検診を受けるよう努めなければならない。

(がんの予防及び早期発見の推進)

第五条 県は、関係機関と協力し、がんの予防及び早期発見に資するため、次に掲げる施策を推進するよう努めるものとする。

 喫煙、食生活、運動その他の生活習慣及び生活環境が健康に及ぼす影響を考慮したがんの予防のための普及啓発

 多数の者が利用する施設における禁煙その他の望まない受動喫煙(人が他人の喫煙によりたばこから発生した煙にさらされることをいう。)の防止のための措置の促進

 市町村等と連携した県民のがん検診の受診率の向上のための施策

 がん検診に携わる医療従事者の資質の向上を図るための研修の機会の確保

 効果があるがん検診等の最新の医療に関する情報の収集及び提供

 前各号に掲げるもののほか、県内におけるがんの予防及び早期発見のために必要な施策

(平三一条例一七・一部改正)

(女性特有のがん対策の推進)

第六条 県は、女性に特有のがん及びそのがんの発生頻度が高い年齢を考慮し、がんの予防に関する正しい知識の普及及びがん検診の受診率の向上のための啓発を行うものとする。

(医療従事者の育成及び確保)

第七条 県は、手術、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わる専門的な知識及び技能を有する医師その他の医療従事者の育成及び確保を図るために必要な施策を講ずるものとする。

(がん医療に関する情報の提供)

第八条 県は、全ての県民ががん医療に関する適切な情報を得られるよう、がん診療連携拠点病院等(厚生労働省が定める指針に基づいて、厚生労働大臣が指定する都道府県がん診療連携拠点病院、地域がん診療連携拠点病院及び地域がん診療病院をいう。以下同じ。)をはじめとするがん診療に携わる医療機関の診療に係る情報の収集及び提供に必要な施策を講ずるものとする。

(平二七条例六八・一部改正)

(がん登録等の推進)

第九条 県は、がん対策の充実及びがん医療の質の向上に資するよう、がん登録(がん登録等の推進に関する法律(平成二十五年法律第百十一号)第二条第二項に規定するがん登録をいう。以下同じ。)及びがん登録により得られた情報の活用の推進のために必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、前項の施策を実施するに当たっては、がん登録により得られた情報がその利用目的の達成に必要な範囲を超えて用いられることがないようにする等がん患者に係る個人情報の保護が適切に講じられるようにしなければならない。

(平二七条例六八・一部改正)

(がん医療の水準の向上)

第十条 県は、がん患者がそのがんの状態に応じた適切ながん医療を受けることができるように市町村及びがん診療連携拠点病院等その他の医療機関と連携するよう努めるとともに、先端的ながん医療の提供体制の整備並びにがんの予防及び治療を進めるための医療機関の連携体制の整備等がん医療の水準を高めるための施策を推進するよう努めるものとする。

(平二七条例六八・一部改正)

(緩和ケアの推進)

第十一条 県は、がん患者に対する緩和ケア(疾病による身体的な苦痛並びに精神的及び社会的な不安の軽減を主たる目的とする医療、看護その他の行為をいう。以下同じ。)の充実を図るための医療従事者の育成に努めるものとし、緩和ケアを治療の初期段階から提供することができる体制の整備を支援するものとする。

(在宅医療等の推進)

第十二条 県は、医療関係団体、市町村等の協力を得ながら、病院、診療所、薬局、訪問看護ステーション等が連携し、居宅においてがん患者がより快適な生活環境の中で、医療及び介護が受けられる体制の整備を支援するものとする。

(骨髄移植の促進)

第十三条 県は、白血病等の血液がんに対し有効な治療法である骨髄移植を促進するため、保健医療関係者と連携して骨髄バンク事業の普及啓発等必要な施策を講ずるものとする。

(がん患者等の支援)

第十四条 県は、がん患者及びその家族又は遺族に対する相談体制を充実する等、がん患者等の支援に努めるものとする。

2 県は、がん患者及びその家族等で構成される民間団体その他の関係団体が行うがん患者の療養生活及びその家族の生活に対する活動の支援に努めるものとする。

(県民運動)

第十五条 県は、保健医療関係者、民間企業等と幅広く連携し、がん対策に対する県民の理解及び関心を深めるための運動をすべての県民を対象として行うものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

(平成二七年条例第六八号)

この条例は、平成二十八年一月一日から施行する。ただし、第八条及び第十条の改正規定は、公布の日から施行する。

(平成三一年条例第一七号)

この条例は、公布の日から施行する。

徳島県がん対策推進条例

平成22年3月30日 条例第11号

(平成31年3月27日施行)