○徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例

平成二十四年十二月二十一日

徳島県条例第六十四号

徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例をここに公布する。

徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第十五条)

第二章 予防対策

第一節 県民による予防対策(第十六条―第二十一条)

第二節 自主防災組織による予防対策(第二十二条―第二十四条)

第三節 学校等による予防対策(第二十五条―第二十七条)

第四節 事業者による予防対策(第二十八条―第三十一条)

第五節 県による予防対策及び市町村等との連携(第三十二条―第五十四条)

第六節 特定活断層調査区域における土地利用の適正化等(第五十五条―第六十一条)

第三章 応急対策

第一節 県民による応急対策(第六十二条―第六十四条)

第二節 自主防災組織による応急対策(第六十五条)

第三節 学校等による応急対策(第六十六条―第六十八条)

第四節 事業者による応急対策(第六十九条―第七十一条)

第五節 県による応急対策及び市町村等との連携(第七十二条―第七十七条)

第四章 復旧及び復興対策

第一節 県民による復旧及び復興対策(第七十八条)

第二節 自主防災組織による復旧及び復興対策(第七十九条)

第三節 学校等による復旧及び復興対策(第八十条)

第四節 事業者による復旧及び復興対策(第八十一条・第八十二条)

第五節 県による復旧及び復興対策並びに市町村等との連携(第八十三条)

附則

平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災は、地震が頻発する日本に住む私たちに、平穏な生活を一瞬にして破壊する地震及び津波のすさまじさを改めて知らしめたところである。

この大震災を教訓として、これからの震災対策について、地震及び津波による被害の発生を防ぐだけではなく、助かる命を助けることをはじめとして被害を最小化するという減災の考え方を基本に、あらゆる方策を複合的に講じる必要性が認識されるようになった。

また、震災の規模が大きいほど、県民が自らの安全を自ら守る自助、自主防災組織、ボランティア等が地域の安全を確保する共助及び県、市町村等が県民を保護する公助のそれぞれの主体が責務と役割を認識し、より密接に連携することが欠かせない。

本県では、広い範囲で甚大な被害が想定されている南海トラフを震源とする巨大地震の切迫性が高まっており、更に、本県を東西に貫く中央構造線活断層帯を震源とする直下型地震の発生も危惧されている。

このため、震災による死者を一人も出さないことを目指し、県政の最重要課題として積極的に展開してきた震災対策を、より一層加速させていく必要がある。

ここに、私たちは、いかなる大震災にも正面から立ち向かい、県民の尊い生命を守るため、共に力を合わせ、県民一丸となって震災対策に取り組むことを決意するとともに、将来の世代に対する責務として、真に震災に強い社会づくりを推進するため、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、南海トラフを震源とする巨大地震、中央構造線活断層帯を震源とする直下型地震等による震災から、県民の生命、身体及び財産を保護するため、震災対策に関し、基本理念を定め、県民、自主防災組織、学校等及び事業者の役割並びに県の責務を明らかにし、関係者相互の緊密な連携及び協働を促進するとともに、より実効性のある具体的な施策を定めることにより、震災対策を総合的かつ計画的に推進し、もって震災に強い社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 震災 地震及び津波により生ずる被害をいう。

 震災対策 震災を未然に防止し、震災が発生した場合における被害の拡大を防ぎ、並びに震災からの迅速かつ円滑な復旧及び復興を図るための対策をいう。

 事前復興 震災からの迅速かつ円滑な復旧及び復興を図るための被災前からの様々な準備及び実践をいう。

 再度災害防止 被災後、同等の規模の地震、津波等により、再び同様の災害を発生させないことをいう。

 自主防災組織 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号。以下「災対法」という。)第二条の二第二号に規定する自主防災組織をいう。

 震災時要援護者 災対法第八条第二項第十五号に規定する要配慮者のうち、震災が発生し、又は発生するおそれがある場合(以下「震災発生時等」という。)において特に援護を要するものをいう。

 学校等 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園及び児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十九条第一項に規定する保育所をいう。

(平二五条例三九・平二五条例五六・平二七条例一二・令二条例二・令四条例二五・一部改正)

(基本理念)

第三条 震災対策は、事前防災、減災(震災を最小化することをいう。)及び事前復興を基本として、県民の生命が失われないことを最も重視するとともに、県民生活、県民経済及び地域社会を守り、並びに再度災害防止の観点により、被災後の迅速かつ円滑な復旧及び復興を図ることを目指して、誰一人取り残さないよう実施されなければならない。

2 震災対策は、自助(県民が自らの安全を自ら守ることをいう。)、共助(地域の住民等が互いに助け合い、地域の安全を確保することをいう。)及び公助(県、市町村その他の行政機関が県民の生命、身体及び財産を保護することをいう。)を基本として実施されなければならない。

3 震災対策は、県民、自主防災組織、学校等、事業者、ボランティア、県、市町村その他の関係者が、震災対策に関する男女共同参画、地方創生等の様々な視点、震災時要援護者をはじめとするあらゆる者の人権並びに地域社会の維持、再生及び育成に配慮しながら、それぞれの役割を果たすとともに、相互に緊密に連携し、及び協働することにより着実に実施されなければならない。

(平二九条例四八・令二条例二・令四条例二五・一部改正)

(県民の役割)

第四条 県民は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、平常時から震災に対する危機意識を持って、自らの安全を自ら守るため、積極的に震災対策を実施するよう努めるものとする。

2 県民は、基本理念にのっとり、県、市町村その他の関係者が実施する震災対策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(自主防災組織の役割)

第五条 自主防災組織は、基本理念にのっとり、地域の安全を確保するため、積極的に震災対策を実施するよう努めるものとする。

2 自主防災組織は、基本理念にのっとり、県、市町村その他の関係者が実施する震災対策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(学校等の役割)

第六条 学校等の設置者又は管理者(以下「学校等の設置者等」という。)は、基本理念にのっとり、幼児、児童、生徒等の安全を確保するため、積極的に震災対策を実施するよう努めるものとする。

2 学校等の設置者等は、基本理念にのっとり、県、市町村その他の関係者が実施する震災対策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第七条 事業者は、基本理念にのっとり、来所者、従業員等の安全を確保するため、及び自らの事業を継続するため、積極的に震災対策を実施するよう努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、県、市町村その他の関係者が実施する震災対策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(県の責務)

第八条 県は、基本理念にのっとり、県民の生命、身体及び財産を保護するため、震災対策に関する施策を総合的かつ計画的に推進するとともに、県民、自主防災組織、学校等、事業者、ボランティア、市町村その他の関係者が実施する震災対策の支援及び総合調整を行うものとする。

2 県は、震災に関する調査及び研究を行い、その成果を公表するとともに、必要に応じて、震災対策に反映させるものとする。

(市町村との連携)

第九条 県は、基本理念にのっとり、地域住民の生命、身体及び財産を保護する基礎的な地方公共団体である市町村と連携を図りながら協力して震災対策に取り組むものとする。

(震災対策に関する計画の作成等)

第十条 県は、震災対策を総合的かつ計画的に推進するため、県が実施する震災対策に関する施策を取りまとめた計画を作成するとともに、当該施策の進捗状況を管理するものとする。

2 県は、災対法第四十条第一項の規定に基づき作成された徳島県地域防災計画に掲げられた震災対策を効果的かつ迅速に実施できるよう、当該震災対策の実施の手順を定めた要領を作成するものとする。

3 県は、市町村が行う当該市町村が実施する震災対策に関する施策を取りまとめた計画の作成について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

(震災対策に関する憲章)

第十一条 県は、県民、自主防災組織、事業者等の震災対策に関する意識の高揚を図り、自発的な震災対策への取組の促進に資するため、震災対策に関する憲章を定めるものとする。

(徳島県震災を考える日等)

第十二条 県民一人一人が、震災についての認識を深め、震災対策の一層の充実を図るため、徳島県震災を考える日及び徳島県震災を考える週間を設ける。

2 徳島県震災を考える日は九月一日とし、徳島県震災を考える週間は八月三十日から九月五日までとする。

3 県は、徳島県震災を考える日及び徳島県震災を考える週間の趣旨にふさわしい事業が実施されるよう努めるものとする。

(顕彰)

第十三条 県は、震災対策の推進に関し、功績の顕著な者の顕彰に努めるものとする。

(震災対策への県民等の意見の反映)

第十四条 県は、市町村と連携して、県民、自主防災組織、事業者等から震災対策に関する意見を聴取し、必要に応じて、その意見を震災対策に反映させるものとする。

(財政上の措置)

第十五条 県は、震災対策に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

第二章 予防対策

第一節 県民による予防対策

(震災対策等に関する知識の習得等)

第十六条 県民は、平常時から、震災及び震災対策に関する研修(以下「防災研修」という。)、震災の発生を想定した訓練(以下「防災訓練」という。)並びに事前復興の取組に積極的に参加し、震災及び震災対策に関する知識及び技能の習得に努めるものとする。

2 県民は、県、市町村その他の関係者が提供する地域における震災及び震災対策に関する情報(以下「地域震災関連情報」という。)を活用して、震災発生時等に備え、自らが生活する地域における危険な場所、避難場所、避難経路、避難方法及び家族との連絡方法の確認に努めるものとする。

3 震災発生時等において、通常用いる方法による帰宅が困難であると予想される者は、徒歩等により帰宅する場合の経路並びに家族及び隣人等との連絡方法の確認その他の円滑な帰宅のために必要な準備を行うよう努めるものとする。

(令二条例二・令四条例二五・一部改正)

(避難等の心構え)

第十七条 県民は、地震による崖崩れ、地滑り等の危険を察知した場合は、直ちに安全な場所に避難するよう心がけるものとする。

2 県民は、強い又は継続時間の長い地震の揺れを感知した場合は、津波に関する予報又は警報の発表及び避難の指示を待たずに、直ちに近くの高台等の安全な場所に避難するよう心がけるものとする。

3 県民は、地域震災関連情報により、震災が発生するおそれを察知した場合は、当該地域震災関連情報を活用し、直ちに自らの安全を確保するための行動をとるよう心がけるものとする。

(令三条例四〇・令四条例二五・一部改正)

(建築物等の安全性の確保)

第十八条 県民は、その所有する建築物の地震による倒壊等から自らを含む利用者の安全並びに津波等からの安全な避難及び円滑な救援に必要な経路を確保するため、当該建築物の耐震診断(地震に対する安全性を評価することをいう。以下同じ。)及び耐震改修(地震に対する安全性の向上を目的として、増築、改築、修繕若しくは模様替又は敷地の整備をすることをいう。以下同じ。)その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 県民は、震災の発生に備え、家具等の転倒、窓ガラスの飛散等による被害を防止するための措置を講ずるよう努めるものとする。

3 県民は、その設置するブロック塀、広告板その他の工作物及び自動販売機(以下「工作物等」という。)を定期的に点検し、耐震性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(物資の備蓄等)

第十九条 県民は、食糧、飲料水、医薬品その他の震災発生時等に必要となる物資の備蓄及び点検並びにラジオ等の情報収集手段の確保に努めるとともに、避難の際に必要となる物資を直ちに持ち出すことができるよう準備に努めるものとする。

2 県民は、震災を未然に防止し、及び震災が発生した場合における被害の拡大を防止するために必要な消火器等の資機材の整備に努めるものとする。

(自主防災組織及び消防団等への参加)

第二十条 県民は、地域における震災対策を円滑に行うため、自主防災組織の結成及びその活動への積極的な参加に努めるものとする。

2 県民は、地域における震災対策を円滑に行うため、地域の消防団等の活動への積極的な参加に努めるものとする。

(震災時要援護者等からの情報提供)

第二十一条 震災時要援護者又はその保護者(配偶者、親権を行う者、後見人その他の者で、震災時要援護者を現に保護するものをいう。以下同じ。)は、震災時要援護者が震災発生時等に自主防災組織、市町村その他の関係者から避難等について支援を受ける際に必要となる当該震災時要援護者に関する情報を、当該関係者に提供するよう努めるものとする。

2 法令又は他の条例若しくは市町村の条例(以下「法令等」という。)に定めがあるものを除くほか、前項の規定により震災時要援護者又はその保護者から情報の提供を受けた者は、当該情報について、漏えい及び提供を受けた目的以外の目的のための利用を防止し、適正に管理しなければならない。

第二節 自主防災組織による予防対策

(震災対策等に関する意識の啓発等)

第二十二条 自主防災組織は、地域住民等に対し、震災及び震災対策に関する意識の啓発及び高揚を図るため、自ら防災研修、防災訓練及び事前復興の取組を実施するよう努めるとともに、県、市町村その他の関係者が実施する防災研修、防災訓練及び事前復興の取組への積極的な参加に努めるものとする。

2 自主防災組織は、地域震災関連情報を活用して、震災発生時等に備え、当該自主防災組織が活動する地域における危険な場所、避難場所、避難経路及び避難方法の情報を掲載した地図の作成及び当該地域の住民等への周知に努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

(円滑かつ効果的な避難のための体制の整備)

第二十三条 自主防災組織は、市町村その他の関係者と連携して、率先避難(地域住民等の避難を促進するため率先して行う避難をいう。以下同じ。)を行う役割を担う者の確保、震災時要援護者の特性に応じた避難の支援の体制の整備その他の地域住民等の避難が円滑かつ効果的に行われるための体制の整備に努めるものとする。

(資機材の備蓄等)

第二十四条 自主防災組織は、初期消火、負傷者の救出及び救護その他の震災発生時等の応急的な措置に必要な資機材の備蓄、整備及び点検に努めるものとする。

第三節 学校等による予防対策

(防災教育の実施等)

第二十五条 学校等の設置者等は、幼児、児童、生徒等が、震災発生時等において自らの安全を確保することができるとともに、将来において震災対策の担い手となるよう、震災及び震災対策に関する教育(以下「防災教育」という。)、防災訓練並びに事前復興の取組の実施に努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

(地域との連携)

第二十六条 学校等の設置者等は、その設置し、又は管理する学校等の施設について、市町村が行う地域の避難場所及び津波からの一時的な避難場所としての指定に協力するよう努めるものとする。

2 学校等の設置者等は、その設置し、又は管理する学校等の施設が前項の避難場所として指定された場合には、当該避難場所としての目的を達成するために必要な機能の強化に努めるものとする。

3 学校等の設置者等は、市町村、自主防災組織その他の関係者と連携して防災訓練及び事前復興の取組を実施する等、地域と一体となって、幼児、児童、生徒等を震災から守るための環境の整備に努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

(学校等の施設等の安全性の確保)

第二十七条 学校等の設置者等は、その設置し、又は管理する学校等の施設並びに設備及び備品の地震による倒壊等から幼児、児童、生徒等の安全並びに津波等からの安全な避難及び円滑な救援に必要な経路を確保するため、当該施設の計画的な耐震診断及び耐震改修並びに当該設備及び備品の転倒を防止するための対策等に努めるものとする。

第四節 事業者による予防対策

(防災研修の実施等)

第二十八条 事業者は、震災発生時等における来所者、従業員等の安全を確保するため、防災研修、防災訓練及び事前復興の取組の実施に努めるものとする。

2 法令等に定めがあるものを除くほか、震災時要援護者が入所し、又は通所する施設(以下「要援護者関連施設」という。)の設置者又は管理者は、震災時要援護者に関する避難計画の作成、防災訓練及び事前復興の取組の実施に努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

(事業活動を継続するための計画の作成等)

第二十九条 事業者は、震災による事業活動への影響を最小限度にとどめるため、事業活動を継続するための計画の作成に努めるものとする。

2 事業者は、事業活動を継続するために必要な物資、燃料及び資機材の備蓄、整備及び点検に努めるものとする。

(地域との連携)

第三十条 事業者は、その所有し、又は管理する施設について、市町村が行う地域の避難場所及び津波からの一時的な避難場所としての指定に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、市町村、自主防災組織等が実施する防災研修、防災訓練及び事前復興の取組への従業員の参加の機会を確保するよう努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

(事業者の施設等の安全性の確保)

第三十一条 事業者は、その所有する施設並びに設備及び備品の地震による倒壊等から来所者、従業員等の安全並びに津波等からの安全な避難及び円滑な救援に必要な経路を確保するため、当該施設の耐震診断及び耐震改修並びに当該設備及び備品の転倒を防止するための対策等に努めるものとする。

2 上下水道、電気供給施設、ガス供給施設又は電気通信事業の用に供する施設及びこれらに附帯する設備(以下「ライフライン関連施設等」という。)の設置者又は管理者は、ライフライン関連施設等について、地震及び津波に対する安全性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

3 事業者は、その設置する工作物等を定期的に点検し、耐震性を確保するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

第五節 県による予防対策及び市町村等との連携

(震災対策等に関する知識の普及等)

第三十二条 県は、市町村その他の関係者と連携して、県民、自主防災組織等が平常時から震災に備え、適切な震災対策を講ずることができるよう、震災及び震災対策に関する知識の普及を図るものとする。

2 県は、市町村その他の関係者と連携して、家庭及び地域における震災対策が自主的に行われるよう学校教育及び社会教育を通じて、全ての世代を対象とした防災教育の充実を図るものとする。

3 県は、市町村その他の関係者と連携して、県民、自主防災組織等の震災に適切に対応する能力を向上させるため、様々な震災を想定した防災訓練及び事前復興の取組を行うものとする。

4 県は、徳島県立防災センター等の機能を十分に活用し、震災及び震災対策に関する知識の普及及び人材の育成を図るものとする。

(令二条例二・一部改正)

(情報伝達体制の整備)

第三十三条 県は、震災発生時等における気象状況、被害の発生状況、避難の状況その他の震災対策に必要な情報を市町村その他の関係者と相互に伝達するため、通信機能の強化及び複数の通信手段の確保に努めるものとする。

2 県は、市町村、報道機関その他の関係者と連携して、震災発生時等において必要となる情報を県民等に提供するための体制を整備するものとする。

3 県は、市町村と連携して、震災発生時等において帰宅が困難となった者及び移動の途中で目的地に到達することが困難となった者(以下「帰宅困難者等」という。)に対して必要な情報を提供するための体制を整備するものとする。

(行政機能の低下への対応)

第三十四条 県は、地震又は津波により庁舎等が被害を受けた場合等における行政機能の低下を最小限度にとどめるため、震災発生時等において必要となる応急対策業務及び継続の必要性の高い通常の業務を継続するための計画(以下「業務継続計画」という。)を作成するものとする。

2 県は、全ての市町村において行政機能の低下を最小限度にとどめるための業務継続計画が作成されるよう、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

(自主防災組織の結成の促進に対する支援等)

第三十五条 県は、市町村が行う自主防災組織の結成の促進並びに防災研修、防災訓練及び事前復興の取組を行う自主防災組織に対する支援について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

2 県は、地域の震災対策において重要な役割を担う消防団等の組織の充実及び機能の強化に努める市町村に対し、積極的に協力するものとする。

3 県は、市町村その他の関係者と連携して、自主防災組織が実施する震災対策において指導的な役割を担う者の育成及び確保を図るものとする。

4 県は、市町村と連携して、自主防災組織相互の広域的な連携の促進に努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

(避難計画の作成についての支援等)

第三十六条 県は、市町村が自主防災組織及び要援護者関連施設と連携して行う避難場所、避難経路、避難方法その他の避難のために必要な事項を定めた避難計画の作成について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

2 県は、広域的な避難が円滑に行われるよう市町村を支援するものとする。

(避難所の運営体制の整備)

第三十七条 県は、市町村が避難所として使用される建築物の所有者又は管理者及び自主防災組織と連携して行う避難所の運営基準の作成について、当該運営基準がプライバシーの確保をはじめとする避難者の生活の質に配慮したものとなるよう、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

2 県は、市町村その他の関係者と連携して、避難所の効果的かつ効率的な運営を図るため、避難所の運営に関する連絡調整を行う者の育成及び確保を図るものとする。

(応急仮設住宅の確保)

第三十八条 県は、応急仮設住宅の確保について、市町村その他の関係者と連携して、地域の特性及び実情等を踏まえた対策について検討を行うとともに、応急仮設住宅の建設が円滑に行われるよう、その標準的な仕様を定めるものとする。

2 県は、市町村と連携して、応急仮設住宅として活用できる公営住宅、民間賃貸住宅等の把握に努めるものとする。

3 県は、応急仮設住宅の確保に係る関係団体との協定の締結に努めるものとする。

4 県は、市町村と連携して、応急仮設住宅の建設の候補地を選定するものとする。

(震災時要援護者の支援体制の整備等に対する支援)

第三十九条 県は、市町村が行う震災時要援護者に関する情報の把握及び自主防災組織等と連携した支援体制の整備について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

2 県は、市町村が行う福祉避難所(避難所であって、震災時要援護者のうち避難所での生活において特別な配慮が必要な者を受け入れるために必要な設備等を有するものをいう。)の指定について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

(医療救護体制の整備等)

第四十条 県は、震災による重篤な救急患者の救命医療の拠点となる医療機関並びに当該医療機関を支援し、及び補完する役割を担う医療機関を指定するとともに、本県における医療機能の充実及び強化に努めるものとする。

2 県は、震災の発生後直ちに救命活動が開始できる機動性を持った医療チーム及び被災地の医療体制の支援を行う医療救護班を派遣する医療機関等の指定等の広域的な医療救護体制を整備するものとする。

3 県は、計画的な医薬品の備蓄及び関係事業者との協定の締結により、震災発生時等に必要となる医薬品の調達体制を整備するものとする。

4 県は、市町村が行う震災発生時等における医療救護体制の整備について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

(物資等の調達体制の整備)

第四十一条 県は、市町村と連携して、物資、燃料及び資機材(以下「物資等」という。)の計画的な備蓄、整備及び点検並びに関係事業者との協定の締結により、震災発生時等に必要となる物資等の調達体制を整備するものとする。

(救援物資の輸送体制の整備等)

第四十二条 県は、市町村と連携して、震災発生時等において、救援物資を迅速かつ的確に避難所等に輸送できる体制を整備するものとする。

2 県は、市町村と連携して、救援物資の受入れ及び配分を円滑に行うことができるよう連絡調整を行う者の育成及び確保を図るものとする。

(他の都道府県等との協定の締結)

第四十三条 県は、震災発生時等において、被災者の救援及び救護をはじめとする応急対策に必要な支援等が円滑に行われるよう、他の都道府県等との広域的な連携に関する協定の締結に努めるものとする。

(公衆衛生の確保のための体制の整備)

第四十四条 県は、市町村、医療機関その他の関係者と連携して、震災が発生した場合における感染症の発生の予防及びまん延の防止、県民の心身の健康管理その他の公衆衛生の確保のための体制を整備するものとする。

(防火及び防犯の体制の強化)

第四十五条 県は、市町村、自主防災組織その他の関係者と連携して、震災発生時等における火災及び犯罪の防止のため、防火及び防犯に関する意識の啓発を行うとともに、消火器の普及、防犯灯の設置その他の必要な施策を実施し、防火及び防犯の体制の強化に努めるものとする。

(緊急輸送体制の整備)

第四十六条 県は、市町村その他の関係者と連携して、負傷者の搬送並びに応急対策に必要な人員及び物資等の輸送(以下「緊急輸送」という。)の体制を整備するものとする。

2 県は、その管理する緊急輸送路(緊急輸送のために必要となる道路、港湾、漁港及び飛行場をいう。以下同じ。)の整備並びに緊急輸送のために必要となる物資等の集積を行う場所及びヘリポートの確保等に努めるものとする。

3 県は、緊急輸送を確保するため必要があると認めるときは、緊急輸送路を管理する者に対し、当該緊急輸送路の整備を求めるものとする。

4 県は、緊急輸送を確保するため、耐震性を強化した岸壁等の整備の促進に努めるものとする。

(孤立地区対策に対する支援)

第四十七条 県は、市町村が孤立地区(震災が発生した場合に、外部との交通が途絶し、人の移動及び物資の輸送が困難又は不可能となる地区をいう。以下同じ。)における通信の途絶に備えるため行う情報の収集及び伝達の手段の確保について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

2 県は、市町村が行う地域の特性に応じた孤立地区の発生に備えた対策について、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

(ボランティア活動の環境整備等)

第四十八条 県は、市町村その他の関係者と連携して、震災が発生した場合におけるボランティア活動が安全かつ円滑に実施されるよう、ボランティアの受入体制の整備、物資及び資機材の提供その他のボランティア活動の環境を整備するものとする。

2 県は、市町村その他の関係者と連携して、ボランティア活動への県民の積極的な参加を促すため、ボランティア活動への理解を深める啓発の実施及びボランティア活動を行うために必要な知識の普及を図るものとする。

3 県は、市町村その他の関係者と連携して、ボランティア活動を円滑に実施するための連絡調整を行う者の育成及び確保を図るものとする。

(震災対策の拠点となる建築物の安全性の確保等)

第四十九条 県は、その管理する震災対策の拠点となる建築物並びに情報の収集及び伝達、医療救護等に関する震災対策上重要な設備について、地震及び津波に対する安全性を確保するため、計画的な耐震性の向上、浸水を防止するための対策等に努めるとともに、当該建築物が被害を受けた場合に備えるため、その機能を代替する建築物の選定に努めるものとする。

2 県は、その管理する建築物内において来庁者等の安全を確保するための対策に努めるものとする。

(建築物等への避難機能の付与等)

第五十条 県は、市町村と連携して、各地域において想定される被害の状況に基づき、県の管理する建築物等への避難上必要な機能の付与、避難路及び避難施設の整備その他の地域住民等の安全を確保するための対策に努めるものとする。

(公共土木施設の整備等による被害の軽減対策)

第五十一条 県は、その管理する河川、海岸、砂防設備、道路、港湾、漁港、公園等の公共土木施設について、震災対策の観点から、計画的な整備及び適正な維持管理に努めるものとする。

2 県は、地震による地盤沈下等による長期間にわたる浸水に対応するため、早期の排水を可能にするための体制の確保及び設備の整備に努めるものとする。

3 県は、市町村と連携して、津波による被害の発生が予想される地域において、放置された船舶等により当該被害を拡大させないため、当該船舶等の除却等の対策の実施に努めるものとする。

(津波防災地域づくりの推進)

第五十二条 県は、市町村が行う津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号。以下「津波防災法」という。)第一条に規定する津波防災地域づくりを支援するため、市町村と連携して、津波防災法第五十三条第一項に規定する津波災害警戒区域及び津波防災法第七十二条第一項に規定する津波災害特別警戒区域(以下「津波災害特別警戒区域」という。)を速やかに指定するとともに、その効果を検証し、必要に応じて指定の変更等を行うものとする。

2 県は、市町村による津波防災法第十条第一項に規定する推進計画(以下「推進計画」という。)の作成及び津波防災法第七十三条第二項第二号に規定する条例の制定が円滑に行われるよう、これらに係る指針を作成するとともに、情報の提供、技術的な助言その他の必要な支援に努めるものとする。

3 県は、市町村が推進計画に基づき建築物等の移転が可能な地域を定める場合には、当該地域への移転が円滑に行われるよう、土地の利用に関する規制の緩和等について配慮するものとする。

4 県は、津波災害特別警戒区域に建築物を所有する者が、当該建築物を津波災害特別警戒区域以外の区域に移転する場合には、当該区域への移転が円滑に行われるよう、土地の利用に関する規制の緩和等について配慮するものとする。

(建築物等の耐震診断等の促進)

第五十三条 県は、建築物の地震による倒壊等から県民の安全並びに津波等からの安全な避難及び円滑な救援に必要な経路を確保するためには建築物の耐震診断及び耐震改修その他の措置が講じられることが特に重要であることに鑑み、市町村と連携して、その促進に必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、市町村その他の関係者と連携して、建築物の耐震診断及び耐震改修が円滑に行われるよう、耐震診断及び耐震改修の業務を行う者の育成及び確保を図るものとする。

3 県は、地震が発生した場合の家具等の転倒、窓ガラスの飛散等による被害から県民の安全を確保するため、市町村と連携して、家具等の転倒を防止するための対策の促進その他の必要な措置を講ずるものとする。

(平二九条例四八・全改)

(事業活動を継続するための計画の作成の促進等)

第五十四条 県は、事業者による事業活動を継続するための計画の作成の促進に努めるものとする。

2 県は、津波による海水の浸入のために農用地(土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第一項に規定する農用地をいう。)が受けた塩害を除去するための対策等を検討し、農業生産活動を早期に復旧させるための計画を作成するものとする。

第六節 特定活断層調査区域における土地利用の適正化等

(特定活断層調査区域の指定等)

第五十五条 知事は、特定活断層(地震防災対策特別措置法(平成七年法律第百十一号)第十条第一項に規定する地震調査委員会において長期評価が行われている中央構造線断層帯のうち讃岐山脈南縁に係る部分をいう。以下同じ。)の変位による被害を防止するため、特定活断層の位置に関する調査が必要な土地の区域を、特定活断層調査区域として指定することができる。

2 知事は、前項の規定により特定活断層調査区域を指定するときは、あらかじめ、関係する市町村の長の意見を聴かなければならない。

3 知事は、第一項の規定により特定活断層調査区域を指定するときは、その旨及び指定の区域を徳島県報で公示しなければならない。

4 知事は、前項の規定による公示をしたときは、速やかに、規則で定めるところにより、関係する市町村の長に、当該公示された事項を記載した図書を送付しなければならない。

5 特定活断層調査区域の指定は、第三項の規定による公示によってその効力を生ずる。

6 知事は、第一項の規定による特定活断層調査区域の指定の理由がなくなったと認めるときは、当該特定活断層調査区域の全部又は一部について当該指定を解除するものとする。

7 第二項から第五項までの規定は、前項の規定による特定活断層調査区域の指定の解除について準用する。

8 県は、最新の活断層の位置に関する情報の把握に努めるとともに、把握した当該情報を公表するものとする。

(特定活断層調査区域における土地利用の適正化等)

第五十六条 特定活断層調査区域において次に掲げる建築物又は施設(以下「特定施設」という。)の新築、改築又は移転(以下「新築等」という。)をしようとする者は、特定活断層の直上への当該特定施設の新築等を避けなければならない。

 学校、病院その他の多数の者が利用する建築物であって規則で定めるもの

 火薬類、石油類その他の危険物であって規則で定めるものを貯蔵する施設

2 特定活断層調査区域において特定施設の新築等をしようとする者は、当該新築等に係る工事(開発行為(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第十二項に規定する開発行為をいう。以下同じ。)を伴う場合にあっては、当該開発行為)をしようとするときは、あらかじめ、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を知事に届け出て、知事と協議しなければならない。

 氏名又は名称及び住所並びに法人にあってはその代表者の氏名

 特定施設の名称及び所在地

 特定施設の用途

 その他規則で定める事項

3 前項の規定による届出には、特定施設の位置図その他の規則で定める書類を添付しなければならない。

4 第二項の規定による協議をした者は、当該協議に基づいて特定活断層に関する調査を実施し、その調査報告書並びに特定活断層の位置図、特定施設の配置計画図及び規則で定める書類(以下「調査報告書等」という。)を知事に提出しなければならない。

5 第二項の規定による届出若しくは協議又は前項の規定による調査報告書等の提出(以下「届出等」という。)をした者は、当該届出等に係る事項を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を知事に届け出て、知事と協議しなければならない。

6 宅地建物取引業者は、その取り扱う宅地又は建物が特定活断層調査区域にある場合は、当該宅地又は建物を取得し、又は借りようとしている者に対して、その売買、交換又は貸借の契約が成立するまでの間に、当該宅地又は建物が特定活断層調査区域にある旨及び前各項に規定する内容を説明するよう努めるものとする。

第五十七条 県は、特定活断層調査区域において建築物の新築等をしようとする場合は、特定活断層の直上への当該建築物の新築等を避けなければならない。

2 県は、特定活断層調査区域の不動産の譲渡、交換、貸付等(以下「譲渡等」という。)をしようとするときは、当該譲渡等に係る契約の締結までに当該不動産の譲渡等の相手方に対して、当該不動産が特定活断層調査区域にある旨及び前条第一項から第五項までに規定する内容を説明しなければならない。

3 県は、特定活断層調査区域に建築物を所有する者が、当該建築物を特定活断層調査区域以外の区域に移転する場合には、当該区域への移転が円滑に行われるよう、土地の利用に関する規制の緩和等について配慮するものとする。

(工事又は開発行為の着手又は完了の届出)

第五十八条 第五十六条第二項の規定による協議をした者は、当該協議に係る新築等の工事若しくは開発行為に着手し、又はこれらを完了したときは、遅滞なく、その旨を知事に届け出なければならない。

(報告の徴収及び立入調査)

第五十九条 知事は、第五十六条前条次条及び第六十一条の規定の施行に必要な限度において、特定施設の新築等をする者に対し、報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、当該特定施設若しくは当該特定施設に係る新築等の工事若しくは開発行為が行われている場所に立ち入り、当該特定施設に係る新築等の工事若しくは開発行為の状況若しくは書類その他の物件を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示しなければならない。

3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(勧告)

第六十条 知事は、第五十六条第一項の規定による特定活断層の直上への特定施設の新築等の回避をしなかった者、同条第二項の規定による届出又は協議をしなかった者、同条第四項の規定による調査報告書等の提出をしなかった者及び同条第五項の規定による届出又は協議をしなかった者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 知事は、前条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告若しくは資料の提出をし、又は同項の規定による立入調査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、若しくは質問に対して陳述をせず、若しくは虚偽の陳述をした者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告することができる。

(公表)

第六十一条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が正当な理由がなく当該勧告に従わない場合は、その旨、当該勧告の内容その他規則で定める事項を公表することができる。

2 知事は、前項の規定による公表をしようとする場合は、あらかじめ当該公表の対象となる者に対し、証拠を提出し、及び意見を述べる機会を与えなければならない。

第三章 応急対策

第一節 県民による応急対策

(避難等)

第六十二条 県民は、地震の揺れを感知したときは、震災に関する情報に留意し、自主的な避難に努めるとともに、津波、崖崩れ等の発生が予測される場合には、自らの安全を確保するため、直ちに安全な場所に避難するものとする。

2 県民は、地域震災関連情報により、震災が発生するおそれを察知した場合は、当該地域震災関連情報を活用し、直ちに自らの安全を確保するための行動をとるものとする。

3 県民は、避難の指示が行われた場合には、円滑に避難するとともに、当該指示が解除されるまでの間は、避難を継続するものとする。

4 避難所を利用する者は、第三十七条第一項に規定する運営基準を遵守し、互いに協力して共同生活を営むよう努めるものとする。

(令三条例四〇・令四条例二五・一部改正)

(緊急通行車両等の通行の確保)

第六十三条 県民は、災対法又は道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)に基づき公安委員会又は警察官が行う車両の通行規制その他の交通規制を遵守するとともに、当該交通規制が行われていない道路においても、車両の使用を自粛することにより、災対法第七十六条第一項に規定する緊急通行車両(以下「緊急通行車両」という。)及び震災時要援護者等の避難のための車両の通行の確保に協力するよう努めるものとする。

(危険建築物等からの避難等)

第六十四条 県民は、地震により倒壊等、火災又は附属物の落下のおそれが生じた建築物その他の工作物(以下「危険建築物等」という。)による被害の発生又は拡大を防ぐため、速やかに危険建築物等から避難するものとする。

2 危険建築物等の所有者又は管理者は、当該危険建築物等が危険である旨の表示を行うよう努めるものとする。

3 建築物の所有者又は管理者は、市町村が実施する被災建築物応急危険度判定(地震により被害を受けた建築物について、余震等による倒壊等の危険性及び建築物の一部等の落下又は転倒の危険性を判定することをいう。)に協力するものとする。

第二節 自主防災組織による応急対策

第六十五条 自主防災組織は、市町村その他の関係者と連携して、率先避難、地域住民の安否に関する情報の収集及び伝達、地域住民及び震災時要援護者の避難についての支援、初期消火、負傷者の救出及び救護、避難所の運営その他の地域における応急対策を実施するよう努めるものとする。

第三節 学校等による応急対策

(生徒等の安全の確保)

第六十六条 学校等の設置者等は、震災発生時等において、幼児、児童、生徒等の安全の確保に努めるものとする。

(避難所の運営についての支援)

第六十七条 学校等の設置者等は、その所有し、又は管理する学校等の施設が避難所として使用される場合には、市町村、自主防災組織その他の関係者と連携して、当該避難所の円滑な運営について必要な支援に努めるものとする。

(学校等における教育活動等の再開準備)

第六十八条 学校等の設置者等は、避難者及び地域住民の十分な理解及び協力の下、学校等における教育活動等の再開に向けた準備に努めるものとする。

第四節 事業者による応急対策

(来所者等の安全の確保)

第六十九条 事業者は、震災発生時等において、来所者及び従業員の安全を確保するよう努めるとともに、地域住民の安全を確保するため、自主防災組織その他の関係者と連携して、避難及び震災に関する情報の収集及び提供、初期消火、率先避難、地域住民の避難誘導及び救助その他の応急対策を実施するよう努めるものとする。

(帰宅困難者等への支援)

第七十条 事業者は、事業所の周辺地域において帰宅困難者等が発生しているときは、当該帰宅困難者等に対して、避難及び震災に関する情報、連絡手段及び一時的な避難場所の提供その他の必要な支援に努めるものとする。

(二次的な被害の防止)

第七十一条 危険物等(消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)第二条第七項に規定する危険物、高圧ガス保安法(昭和二十六年法律第二百四号)第二条に規定する高圧ガス、火薬類取締法(昭和二十五年法律第百四十九号)第二条第一項に規定する火薬類、毒物及び劇物取締法(昭和二十五年法律第三百三号)第二条第一項に規定する毒物及び同条第二項に規定する劇物並びに原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第三条第二号に規定する核燃料物質、同条第三号に規定する核原料物質及び同条第五号に規定する放射線をいう。以下同じ。)を取り扱う事業者は、震災発生時等において、爆発等の二次的な被害を防止するため、危険物等を取り扱う施設の点検及び応急措置を行い、その安全の確保に努めるとともに、爆発等のおそれがある場合には、速やかに関係者及び周辺住民への連絡、立入制限等の対策を講ずるものとする。

(平二五条例三九・一部改正)

第五節 県による応急対策及び市町村等との連携

(応急対策のための体制の確立等)

第七十二条 県は、迅速かつ的確に避難、救助、医療等の応急対策が講じられるよう、市町村その他の関係者と連携して、必要な体制を速やかに確立するものとする。

2 県は、地震又は津波により庁舎等が被害を受けた場合等において、行政機能の低下を最小限度にとどめるよう努めるものとする。

(情報伝達体制の確立等)

第七十三条 県は、震災及び震災対策に関する情報を市町村その他の関係者と相互に伝達するために必要な体制を速やかに確立するものとする。

2 県は、収集した震災及び震災対策に関する情報を総合的に分析した上で、県民等への周知を図るため、市町村、報道機関その他の関係者に必要な情報を速やかに提供するものとする。

(緊急輸送の確保等)

第七十四条 県は、市町村その他の関係者と連携して、応急対策に必要な緊急輸送を確保するものとする。

2 県は、応急対策が的確に実施されるよう緊急通行車両の円滑な通行を確保するため、市町村その他の関係者と必要な調整を図るものとする。

(応急対策の実施に係る応援等)

第七十五条 県は、災対法第六十八条の規定に基づく市町村長等からの応援の要求等に対して、あらゆる手段を検討し、速やかにその求めに応ずるものとする。

(自主防災組織等への支援体制の確立)

第七十六条 県は、市町村その他の関係者と連携して、自主防災組織及びボランティアによる震災対策が円滑に実施されるよう支援するために必要な体制を確立するものとする。

(心のケアの体制の確立)

第七十七条 県は、市町村、医療機関その他の関係者と連携して、被災者並びに被災者の捜索及び救助の活動を行う者の心のケア(被災したこと又は被災者の捜索及び救助の活動に従事したことにより精神的健康が損なわれた状態からの回復及び当該状態の予防をいう。)を行うため、相談窓口を設置する等の必要な体制を確立するものとする。

第四章 復旧及び復興対策

第一節 県民による復旧及び復興対策

第七十八条 県民は、自らが震災からの復旧及び復興の主体であることを認識し、自主防災組織、ボランティア、学校等、事業者、県、市町村その他の関係者と連携して、自らの生活を再建するとともに、地域社会の維持、再生及び育成に努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

第二節 自主防災組織による復旧及び復興対策

第七十九条 自主防災組織は、震災からの復旧及び復興に際して、地域社会の維持、再生及び育成に貢献するよう努めるとともに、県、市町村その他の関係者が実施する当該復旧及び復興に関する対策に協力するよう努めるものとする。

(令二条例二・一部改正)

第三節 学校等による復旧及び復興対策

第八十条 学校等の設置者等は、県、市町村その他の関係者と連携して、学校等の機能の早期回復を図り、学校等における教育活動等の再開に努めるものとする。

第四節 事業者による復旧及び復興対策

(ライフライン関連施設等の復旧)

第八十一条 ライフライン関連施設等の設置者又は管理者は、県、市町村その他の関係者と連携して、速やかに当該ライフライン関連施設等の復旧対策を実施するよう努めるものとする。

(雇用の場の確保等)

第八十二条 事業者は、震災からの復旧及び復興に際して、事業活動の継続又は再開により雇用の場を確保するよう努めるとともに、県、市町村その他の関係者と連携して、地域経済の復旧及び復興に貢献するよう努めるものとする。

第五節 県による復旧及び復興対策並びに市町村等との連携

第八十三条 県は、震災からの復旧及び復興を計画的、迅速かつ円滑に推進するための体制を構築するものとする。

2 県は、大規模災害からの復興に関する法律(平成二十五年法律第五十五号)第二条第一号に規定する特定大規模災害が発生した場合において、政府が同条第二号に規定する復興基本方針を定めたときは、同法第九条第一項の規定により、同方針に即して、復興のための施策に関する方針を速やかに定めるものとする。

3 県は、市町村と連携して、県民及び事業者等の参画を図りながら、再度災害防止の観点により、震災からの復旧及び復興を計画的、迅速かつ円滑に推進するため、当該復旧及び復興に関する計画を早期に作成するものとする。

4 県は、市町村その他の関係者と連携して、前項の復旧及び復興に関する計画の円滑な実施に努めるものとする。

5 県は、市町村その他の関係者と連携して、被災者の早期の生活再建を図るため、個々の被災者の被災状況、生活環境等に係る課題に総合的に対応する体制を構築するものとする。

(令二条例二・令四条例二五・一部改正)

この条例は、公布の日から施行する。ただし、第二章第六節の規定は、平成二十五年四月一日から施行する。

(平成二五年条例第三九号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成二五年条例第五六号)

この条例は、平成二十六年一月一日から施行する。

(平成二七年条例第一二号)

この条例は、就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律の一部を改正する法律(平成二十四年法律第六十六号)の施行の日から施行する。

(施行の日=平成二七年四月一日)

(平成二九年条例第四八号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和二年条例第二号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和三年条例第四〇号)

この条例は、公布の日から施行する。

(令和四年条例第二五号)

この条例は、公布の日から施行する。

徳島県南海トラフ巨大地震等に係る震災に強い社会づくり条例

平成24年12月21日 条例第64号

(令和4年7月12日施行)

体系情報
第6編 生/第8章 危機管理
沿革情報
平成24年12月21日 条例第64号
平成25年10月28日 条例第39号
平成25年12月19日 条例第56号
平成27年3月16日 条例第12号
平成29年12月22日 条例第48号
令和2年3月17日 条例第2号
令和3年10月8日 条例第40号
令和4年7月12日 条例第25号