○徳島県振り込め詐欺等の被害の防止に関する条例
平成二十六年三月二十日
徳島県条例第四十二号
徳島県振り込め詐欺等の被害の防止に関する条例をここに公布する。
徳島県振り込め詐欺等の被害の防止に関する条例
(目的)
第一条 この条例は、振り込め詐欺及び振り込め類似詐欺(以下「振り込め詐欺等」という。)の被害が後を絶たず、県民生活に悪影響を及ぼしている現状に鑑み、振り込め詐欺等の被害の防止(以下「被害防止」という。)に関し、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにし、それぞれが必要な措置を講ずるとともに、被害防止について一人一人が学んだ成果を、人と人との絆により被害防止のための助け合いの取組へと発展させることにより、振り込め詐欺等の被害を防止し、もって県民の財産の保全及び健全な経済活動ができる社会環境の実現に資することを目的とする。
一 振り込め詐欺 オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺及び還付金等詐欺をいう。
二 オレオレ詐欺 親族を装う等して電話をかけ、会社における横領金の補填金等の名目で現金が至急必要であるかのように信じ込ませ、指定した預貯金口座に現金を振り込ませる等の手口による詐欺(刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四十六条の罪に当たる行為をいう。以下同じ。)をいう。
三 架空請求詐欺 インターネットの有料ウェブサイトの使用料金等の架空の事実を口実に現金を請求する文書を送付して、指定した預貯金口座に現金を振り込ませる等の手口による詐欺をいう。
四 融資保証金詐欺 融資を受けるための保証金の名目で、指定した預貯金口座に現金を振り込ませる等の手口による詐欺をいう。
五 還付金等詐欺 市町村の職員等を装い、税金の還付等に必要な手続を装って現金自動預入払出兼用機を操作させて口座間送金により現金を振り込ませる等の手口による詐欺又は電子計算機使用詐欺(刑法第二百四十六条の二の罪に当たる行為をいう。)をいう。
六 振り込め類似詐欺 株式の売買等の金融商品の取引、宝くじ当選番号等の特定の情報の提供、異性との交際あっせんその他これらに類する名目で、虚偽の情報を提供する等した上で、現金をだまし取る詐欺をいう。
七 事業者 次に掲げる者をいう。
イ 犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律(平成十九年法律第百三十三号)第二条第一項の金融機関
ロ 自己が所有し、又は管理する土地又は建物に現金自動預入払出兼用機を設置させている者
ハ 貨物自動車運送事業法(平成元年法律第八十三号)の規定による貨物自動車運送事業者(その者のために貨物運送に関する契約の締結の媒介、取次ぎ又は代理を業として行う者を含む。)
ニ 携帯音声通信事業者による契約者等の本人確認等及び携帯音声通信役務の不正な利用の防止に関する法律(平成十七年法律第三十一号)第二条第三項の携帯音声通信事業者、同法第六条第一項の媒介業者等及び同法第十条第一項の貸与業者
(県の責務)
第三条 県は、被害防止に関する施策を総合的かつ計画的に推進する責務を有する。
2 県は、必要があると認めるときは、県民、事業者及びこれらの者が組織する団体(以下「県民等」という。)に対して振り込め詐欺等の発生状況その他被害防止に有用な情報を提供するものとする。
3 県は、市町村が実施する被害防止に関する施策に協力するとともに、市町村に対する情報の提供、技術的な助言その他必要な支援を行うものとする。
4 県は、被害防止に関する県民等の関心及び理解を深めるため、効果的な広報及び啓発活動を行うとともに、県民等が行う被害防止に関する自主的な活動を支援するものとする。
(県民の役割)
第四条 県民は、振り込め詐欺等の態様が常に変化し、被害の発生が繰り返されていることを認識し、国、県、市町村等が提供する情報及び学習の機会を主体的かつ積極的に活用し、自立した消費者として、適切に行動できる力を養うものとする。
2 県民は、県及び市町村が実施する被害防止に関する施策に協力するとともに、事業者が被害防止に関する注意を喚起した場合は、これを踏まえた上で、適切な行動をとるよう努めるものとする。
(事業者の役割)
第五条 事業者は、被害防止に関する関心及び理解を深めるとともに、県及び市町村が実施する被害防止に関する施策並びに県民等が行う被害防止に関する自主的な活動に協力するよう努めるものとする。
2 事業者は、商品等の流通及び役務の提供に際し、振り込め詐欺等の手段に利用されないための措置を講ずるよう努めるとともに、県民に対し被害防止に関する注意を喚起し、及び被害防止に関する広報を行うよう努めるものとする。
(通報等)
第六条 県民は、次の各号のいずれかに該当するときは、警察官又は事業者への通報その他の適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
一 その言動から振り込め詐欺等の被害を受けようとしていると疑われる者を発見したとき。
二 自己又は身近な者が、振り込め詐欺等と疑われる不審な電話、郵便物等を受けたとき。
2 事業者は、前項の通報を受けたとき又は商品等の流通及び役務の提供に際し、振り込め詐欺等の被害を受けようとしていると疑われる者若しくは振り込め詐欺等に係る行為を行っていると疑われる者を発見したときは、法令の範囲内で、警察官への通報その他の適切な措置を講ずるよう努めるものとする。
(被害防止のための助け合いの取組)
第七条 県民は、家族及び地域住民との間で、互いに被害防止に関する注意を喚起するとともに、家族及び地域住民が振り込め詐欺等の被害を受けるおそれがあると認めるときは、契約の締結及び現金の支払の中止を促すこと等により、被害防止に努めるものとする。
附則
この条例は、平成二十六年四月一日から施行する。