○徳島県消防防災人材の育成の推進に関する条例

平成二十七年三月十六日

徳島県条例第三十一号

徳島県消防防災人材の育成の推進に関する条例をここに公布する。

徳島県消防防災人材の育成の推進に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、消防団員をはじめとする地域における防災活動の担い手を持続的に確保することが困難となっていることに鑑み、消防防災人材の育成に関し、基本理念を定め、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、消防防災人材の育成に関する施策の基本となる事項を定めることにより、地域の多様な主体が将来にわたって積極的に防災活動に参加し、地域防災力の強化が図られることを目指して、消防防災人材の育成を推進し、もって南海トラフを震源とする巨大地震をはじめとする震災、風水害、火災等の災害から県民の生命、身体及び財産を保護することに寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 消防防災人材 消防団をはじめ、自主防災組織、女性防火クラブ若しくは少年消防クラブに参加し、又はこれらの組織の活動に協力する等地域における防災活動を積極的に推進する者をいう。

 自主防災組織 災害対策基本法(昭和三十六年法律第二百二十三号)第二条の二第二号に規定する自主防災組織をいう。

 女性防火クラブ 消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律(平成二十五年法律第百十号。以下「法」という。)第十八条に規定する女性防火クラブをいう。

 少年消防クラブ 法第十八条に規定する少年消防クラブをいう。

 地域防災力 法第二条に規定する地域防災力をいう。

(基本理念)

第三条 消防防災人材の育成は、全ての県民が、各自の状況に応じた自助(県民が自らの安全を自ら守ることをいう。)及び共助(地域の住民等が互いに助け合い、地域の安全を確保することをいう。)の理念に基づく防災活動ができることを目指して行われなければならない。

2 消防防災人材の育成は、県民が幼児期からその発達段階に応じ、あらゆる機会を通じて防災についての理解と関心を深めることができるよう行われなければならない。

3 消防防災人材の育成は、県民が協力して自らの地域を自らで守る消防団の活動への理解及び協力の促進を図ることを旨として行われなければならない。

4 消防防災人材の育成は、災害が発生した場合に地域で即時に対応することのできる消防機関である消防団と連携し、及び協力して行われなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、消防防災人材の育成に関する施策を総合的かつ計画的に策定し、及び実施する責務を有する。

2 県は、市町村、県民、自主防災組織、学校、事業者その他の関係者が実施する消防防災人材の育成に関する取組を促進するため、情報の提供、助言その他必要な支援を実施するものとする。

(県民の役割)

第五条 県民は、基本理念にのっとり、消防防災人材の育成が地域防災力の維持及び向上に寄与することについて理解を深めるとともに、県及び市町村が実施する消防防災人材の育成に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 県民は、基本理念にのっとり、自らが地域における防災活動の担い手であることを自覚し、各自の状況に応じ、地域防災力の向上に積極的な役割を果たすよう努めるものとする。

3 県民は、基本理念にのっとり、災害時において自らと家族の生命を守り、その被害を最小化し、被災後の生活を安定させることを目指して、家族継続計画(生活物資の備蓄、家具の固定等の家庭における防災対策、避難路の確認、家族との連絡方法その他災害時の対応についてあらかじめ定めたものをいう。)を作成するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第六条 事業者は、その従業員の消防団員としての活動が円滑に行われるよう配慮に努めるものとする。

2 事業者は、消防団員又は自主防災組織に所属する者(以下「消防団員等」という。)である従業員の知識及び経験を当該事業所の防火対策及び防災対策に活用するよう努めるものとする。

3 事業者は、消防団員等の活動への資機材及び訓練場所の提供その他の協力に努めるものとする。

4 事業者は、地域の防災訓練への参加に努めるものとする。

(県の施策)

第七条 県は、市町村その他の関係者と連携して、消防団の活動への理解及び協力を促進するとともに、消防団への加入の促進を支援するため、意識の啓発その他の必要な施策を講ずるものとする。

2 県は、市町村が行う自主防災組織、女性防火クラブ、少年消防クラブその他の防災に関する組織への加入の促進を支援するため、必要な施策を講ずるものとする。

3 県は、市町村、学校その他の関係者が行う少年消防クラブの育成に関する取組を支援するため、情報の提供、技術的助言、交流の機会の提供その他必要な施策を講ずるものとする。

(顕彰)

第八条 県は、消防防災人材の育成に関し、功績の顕著な者の顕彰に努めるものとする。

(学校における取組等)

第九条 県は、学校の設置者及び消防機関が連携して防火及び防災についての教育及び訓練を実施することを促進するため、情報の提供、助言その他必要な支援を行うよう努めるものとする。

2 県は、少年消防クラブの活動を防火及び防災についての教育及び訓練に生かすことを促進するため、学校の設置者に対し、情報の提供、助言その他必要な支援を行うよう努めるものとする。

3 県は、大学等の学生が、防災活動に対する理解を深め、自主的に防災活動に参加することを促進するため、大学等の設置者に対し、情報の提供その他必要な支援を行うよう努めるものとする。

(財政上の措置)

第十条 県は、消防防災人材の育成に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

この条例は、平成二十七年四月一日から施行する。

徳島県消防防災人材の育成の推進に関する条例

平成27年3月16日 条例第31号

(平成27年4月1日施行)