○徳島県自転車の安全で適正な利用に関する条例

平成二十八年三月十八日

徳島県条例第三号

徳島県自転車の安全で適正な利用に関する条例をここに公布する。

徳島県自転車の安全で適正な利用に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、自転車の安全で適正な利用に関し、県、自転車を利用する者及び自動車等の運転者の責務並びに県民、事業者及び関係団体の役割を明らかにするとともに、県が実施する施策の基本となる事項を定めることにより、自転車の安全で適正な利用に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、並びに県、市町村、県民、事業者及び関係団体が協働して自転車の安全で適正な利用に関する運動を展開し、もって歩行者、自転車及び自動車等が共に安全に通行し、かつ、県民が安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 自転車 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号。以下「法」という。)第二条第一項第十一号の二に規定する自転車をいう。

 車両 法第二条第一項第八号に規定する車両をいう。

 自動車等 法第二条第一項第九号に規定する自動車及び同項第十号に規定する原動機付自転車をいう。

 道路 法第二条第一項第一号に規定する道路をいう。

 歩道 法第二条第一項第二号に規定する歩道をいう。

 事業者 事業を行う法人その他の団体又は事業を行う場合における個人をいう。

 関係団体 交通安全に関する活動を行うことを主な目的として組織された団体及び自転車の安全で適正な利用に関する活動を行う団体をいう。

(県の責務)

第三条 県は、国、市町村、県民、事業者及び関係団体との相互の連携及び協力の下、自転車の安全で適正な利用に関する総合的な計画を策定し、及び実施する責務を有する。

2 県は、市町村、県民、事業者及び関係団体が実施する自転車の安全で適正な利用に関する取組を促進するため、情報の提供、助言その他の必要な支援を行うものとする。

(自転車利用者の責務)

第四条 自転車を利用する者は、車両の運転者としての責任を自覚し、法その他の関係法令(以下「自転車関係法令」という。)を遵守して、歩行者及び自動車等の通行に十分配慮するとともに、自転車を安全で適正に利用しなければならない。

2 自転車を利用する者は、自転車が関係する交通事故の防止に関する知識の習得に努めなければならない。

3 前二項に規定するもののほか、自転車を利用する者は、自転車の安全で適正な利用のため、次に掲げる事項を実施するよう努めなければならない。

 道路において自転車に乗車するときは、乗車用ヘルメットを着用すること。

 障がい者、高齢者その他の安全に配慮が必要と認められる者が通行する歩道においては、自転車を押して歩き、その通行を妨げないようにすること。

 自転車には、反射器材、前照灯その他の安全な通行を確保するために必要となる器具を備え付けること。

(自動車等運転者の責務)

第五条 自動車等の運転者は、自転車が車両であることを認識し、歩行者、自転車及び自動車等が共に道路を安全に通行することができるように配慮するよう努めなければならない。

2 自動車等の運転者は、自転車の側方を通過するときは、これとの間に安全な間隔を保ち、又は徐行するよう努めなければならない。

(県民の役割)

第六条 県民は、自転車の安全で適正な利用に関する理解を深め、自転車関係法令の遵守、自転車の利用に関する知識の習得、家庭、職場、学校、地域等における自転車の安全な利用の啓発その他の自転車の安全で適正な利用に関する取組を自主的かつ積極的に行うよう努めるものとする。

2 県民は、国、県及び市町村が実施する自転車の安全で適正な利用に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第七条 事業者は、その従業員に対し、自転車の安全で適正な利用に関する啓発及び指導を行うよう努めるものとする。

2 事業者は、自転車の安全で適正な利用に関する理解を深め、自転車の安全で適正な利用に関する取組を自主的かつ積極的に行うよう努めるものとする。

3 事業者は、国、県及び市町村が実施する自転車の安全で適正な利用に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(関係団体の役割)

第八条 関係団体は、自転車関係法令の遵守に関する啓発その他の自転車の安全で適正な利用に関する取組を企画し、県民の参画を得て、積極的に推進するよう努めるものとする。

(自転車安全適正利用推進計画)

第九条 知事は、県が実施する自転車の安全で適正な利用に関する施策及び県民等の取組を総合的に推進するための計画(以下この条において「自転車安全適正利用推進計画」という。)を定めるものとする。

2 知事は、自転車安全適正利用推進計画を定めるに当たっては、県民等の意見を反映することができるよう必要な措置を講ずるものとする。

3 知事は、自転車安全適正利用推進計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するものとする。

4 前二項の規定は、自転車安全適正利用推進計画の変更について準用する。

(県民に対する自転車交通安全教育)

第十条 県は、県民に対し、自転車の安全で適正な利用に関する交通安全教育を行うものとする。

(学校等における自転車交通安全教育)

第十一条 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(幼稚園を除く。)及び同法第百二十四条に規定する専修学校及び同法第百三十四条第一項に規定する各種学校の長は、その児童、生徒又は学生が自転車を安全で適正に利用することができるよう、必要な教育を行うよう努めなければならない。

2 事業者は、その従業員に対し、自転車関係法令の遵守、自転車に係る点検及び整備の必要性等について、必要な教育を行うよう努めなければならない。

(家庭における自転車交通安全教育等)

第十二条 保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、未成年者を現に監護する者をいう。以下同じ。)は、その監護する未成年者が自転車を安全で適正に利用することができるよう、必要な教育を行うよう努めなければならない。

2 高齢者の同居者等は、高齢者に対し、乗車用ヘルメットの着用その他の自転車の安全で適正な利用に関する事項について必要な助言をするよう努めなければならない。

(点検整備の実施)

第十三条 自転車を利用する者は、その利用する自転車について、自転車関係法令に規定する基準その他の自転車の安全性に関する基準に適合するよう、自転車の点検及び整備を業として行う者による点検及び整備を行うよう努めなければならない。

2 保護者は、その監護する未成年者が利用する自転車について、前項に規定する点検及び整備を行うよう努めなければならない。

(自転車損害賠償保険等への加入)

第十四条 自転車を利用する者は、自転車の利用によって生じた他人の生命、身体又は財産の損害を賠償することができるよう、当該損害を填補するための保険又は共済(次条第二項において「自転車損害賠償保険等」という。)への加入その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 保護者は、その監護する未成年者が自転車を利用するときは、前項に規定する措置を講ずるよう努めなければならない。

(広報、啓発等)

第十五条 県は、自転車の安全で適正な利用に関し、県民、自転車を利用する者及び事業者の理解と協力を得られるよう広報活動及び啓発活動を行うものとする。

2 県は、自転車を利用する者の自転車損害賠償保険等への加入を促進するため、情報の提供その他の必要な措置を講ずるものとする。

(自転車小売業者等の情報提供等)

第十六条 自転車の小売を業とする者及び自転車の貸付けを業とする者は、自転車を購入しようとする者及び自転車を借り受けようとする者に対し、自転車の安全で適正な利用に関して必要な情報の提供及び助言をするよう努めなければならない。

(自転車に係る利用環境の向上)

第十七条 県は、国、市町村、県民、事業者及び関係団体と連携し、自転車に係る利用環境の向上を図るために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(財政上の措置)

第十八条 県は、自転車の安全で適正な利用に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

(委任)

第十九条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

この条例は、平成二十八年四月一日から施行する。

徳島県自転車の安全で適正な利用に関する条例

平成28年3月18日 条例第3号

(平成28年4月1日施行)