○徳島県脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策推進条例

平成二十八年十月三十一日

徳島県条例第五十七号

徳島県脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策推進条例をここに公布する。

徳島県脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策推進条例

目次

前文

第一章 総則(第一条―第七条)

第二章 気候変動対策に関する基本方針等(第八条―第十三条)

第三章 気候変動の緩和に係る対策

第一節 県民生活に係る対策

第一款 家庭生活等及び事業活動に係る配慮(第十四条―第二十四条)

第二款 温室効果ガスの排出削減計画書(第二十五条―第三十条)

第三款 建築物に係る配慮(第三十一条―第三十五条)

第四款 交通及びまちづくりに係る配慮(第三十六条―第四十一条)

第二節 再生可能エネルギー等に係る対策(第四十二条―第四十五条)

第三節 森林等による吸収作用の保全等に係る対策(第四十六条―第四十九条)

第四節 フロン類の排出の抑制等に係る対策(第五十条・第五十一条)

第四章 気候変動への適応に係る対策

第一節 気候変動への適応に関する基本的施策(第五十二条・第五十三条)

第二節 県民等の理解の促進等及び調査研究(第五十四条・第五十五条)

第五章 環境教育等の推進(第五十六条―第五十九条)

第六章 先導的な技術の活用及び先駆的な取組の実施等(第六十条―第六十二条)

第七章 雑則(第六十三条―第六十八条)

第八章 罰則(第六十九条)

附則

地球の誕生から今日まで、四十六億年という長い歴史の中で、地球上では、多種多様な生命や美しく雄大な自然が脈々と受け継がれ、ことに本県においては、美しい海、濃い緑に包まれた山々、豊かな清流などの豊潤な自然環境に囲まれ、その恵みを享受してきた。

しかしながら、人類が化石燃料に依存し、エネルギーを大量に消費してきた結果、近年、世界の平均気温は上昇を続け、世界各地において豪雨や干ばつ、生息地の喪失による生態系の変化などが発生しているとともに、近い将来、食糧危機や健康被害をはじめとする更なる被害をもたらす危険性が増大しており、気候変動は、人類を含む自然界全体を大きく揺るがす重大な脅威となっている。

折しも、平成二十七年十二月、国連気候変動枠組条約第二十一回締約国会議において、この差し迫る危機的状況を打破すべく、歴史上初めて、百九十六の国及び地域の全てが協調し、温室効果ガスの排出の削減などのための新たな国際的枠組みであるパリ協定が採択され、二十一世紀後半には温室効果ガスの排出を実質的にゼロとすることを目指す脱炭素社会の実現に向け、世界が第一歩を踏み出した。

気候変動は、国境を越え、世界の国々が一丸となって取り組むべき問題である一面、気候変動の要因の多くは、私たちの生活及び生産の様式のあり方など人の活動そのものにあり、脱炭素社会の実現は、私たち一人一人の行動いかんにかかっている。そして、今こそが、気候変動の脅威に立ち向かうため行動を起こすときであり、百年後に人類が存続しうるか否かの大きな分岐点に差し掛かっている。

そこで、本県においては、豊富な森林資源や多様な生態系、再生可能エネルギーを生み出す潜在力などの地域資源を最大限に活用するとともに、県民や事業者をはじめとするあらゆる主体が気候変動対策の推進役となり、脱炭素社会の実現に向け、環境首都としての進取の気概を持ち、本県こそがこの危機を救うべく、地球規模での気候変動対策をけん引していくことを強く決意して、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策の推進に関し、基本理念を定め、並びに県、県民及び事業者の責務を明らかにするとともに、気候変動対策に関する基本方針の策定その他必要な事項を定めることにより、県、県民、事業者等が相互に連携し、一体となって気候変動対策の推進を図り、もって将来の県民に良好な環境を継承することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 気候変動 地球の大気の組成を変化させる人の活動に直接又は間接に起因する気候の変化であって、比較可能な期間において観測される気候の自然な変動に対して追加的に生ずるものをいう。

 気候変動対策 温室効果ガスの排出の抑制並びに吸収作用の保全及び強化(以下「温室効果ガスの排出の抑制等」という。)その他の気候変動の緩和を図るための施策又は取組並びに気候変動への適応(気候変動の影響に適切に対処することをいう。以下同じ。)を図るための施策又は取組をいう。

 脱炭素社会 化石燃料(原油、石油ガス、可燃性天然ガス及び石炭並びにこれらから製造される燃料をいう。)の消費等に伴い発生する温室効果ガスの排出を可能な限り削減し、その排出量と自然界の温室効果ガスの吸収量との均衡を図ることにより、気候に悪影響を及ぼさない水準で大気中の温室効果ガス濃度を安定化させるとともに、生活の豊かさを実感し、及び経済の持続的な成長を実現できる社会をいう。

 温室効果ガス 地球温暖化対策の推進に関する法律(平成十年法律第百十七号。以下「法」という。)第二条第三項に規定する温室効果ガスをいう。

 温室効果ガスの排出 人の活動に伴って発生する温室効果ガスを大気中に排出し、放出し、若しくは漏出させ、又は他人から供給された電気若しくは熱(燃料又は電気を熱源とするものに限る。)を使用することをいう。

 再生可能エネルギー 太陽光、風力その他規則で定めるものを利用して得ることができるエネルギーをいう。

 水素エネルギー 水素を利用して得ることができるエネルギーをいう。

(基本理念)

第三条 脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策の推進は、次に掲げる事項を基本理念として行われなければならない。

 気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する施策を総合的かつ計画的に実施すること。

 あらゆる主体が、それぞれの立場において、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を自主的かつ積極的に行うことができるよう、県を挙げて、脱炭素社会の実現に向けた社会的気運を醸成すること。

 気候変動対策の推進に資する地域に存する多様な資源を有効に活用するとともに、気候変動対策を通じ、地域における課題の解決に貢献すること。

(県の責務)

第四条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、総合的かつ計画的な気候変動対策を策定し、及び実施するとともに、その事務及び事業に関し、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を率先して実施しなければならない。

2 県は、前項の気候変動対策の策定及び実施に当たっては、県民、事業者等(事業者並びに事業者及び県民が組織する民間の団体をいう。以下同じ。)及び市町村と連携し、及び協働して取り組むものとする。

3 県は、県民及び事業者等が実施する気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を促進するために必要な支援を行うものとする。

(県民の責務)

第五条 県民は、基本理念にのっとり、気候変動対策の重要性に関する理解を深めるとともに、地球環境の保全(良好な環境の創出を含む。以下同じ。)に関する高い意識を持って、その家庭生活をはじめとする生活全般(以下「家庭生活等」という。)に関し、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を自主的かつ積極的に行うよう努めるものとする。

2 県民は、県が実施する気候変動対策に協力するよう努めるものとする。

3 県民は、地域社会を構成する一員として、県民及び事業者等が実施する気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組であって、多くの県民及び事業者等の参加等によりその効果を発揮するものに自主的かつ積極的に協力するよう努めるものとする。

(事業者の責務)

第六条 事業者は、基本理念にのっとり、気候変動対策の重要性に関する理解を深めるとともに、地球環境の保全に関する高い意識を持って、その事業活動に関し、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を自主的かつ積極的に行うよう努めるものとする。

2 事業者は、県が実施する気候変動対策に協力するよう努めるものとする。

3 事業者は、地域社会を構成する一員として、県民及び事業者等が実施する気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組であって、多くの県民及び事業者等の参加等によりその効果を発揮するものに自主的かつ積極的に協力するよう努めるものとする。

(一時滞在者への協力要請)

第七条 県は、観光旅行等で一時的に滞在する者(以下「一時滞在者」という。)に対し、気候変動対策の重要性に関する理解を深め、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を自主的かつ積極的に行うよう協力を要請するものとする。

2 一時滞在者は、県が実施する気候変動対策に協力するよう努めるものとする。

第二章 気候変動対策に関する基本方針等

(基本方針の策定)

第八条 知事は、気候変動対策を総合的かつ計画的に推進するための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。

2 基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 温室効果ガスの排出の抑制及び吸収の量に関する目標

 前号の目標を達成するために必要な施策に関する事項

 気候変動への適応を図るために必要な施策に関する事項

 前三号に掲げるもののほか、気候変動対策の推進に関し必要な事項

3 知事は、基本方針を定めるに当たっては、国の気候変動対策に関する計画等の施策等を参酌するとともに、都市計画、農業振興地域整備計画その他の気候変動の緩和に関係のある施策及び気候変動への適応に関係のある施策について、当該施策の目的の達成との調和を図りつつ、連携して気候変動の緩和及び気候変動への適応が行われるよう配意するものとする。

4 知事は、基本方針を定めようとするときは、あらかじめ、徳島県環境審議会及び関係地方公共団体の意見を聴かなければならない。

5 知事は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。

6 知事は、気候変動対策に係る技術水準の向上及び社会情勢の変化を踏まえ、必要があると認めるときは、基本方針を改定するものとする。この場合においては、前二項の規定を準用する。

7 知事は、毎年度、基本方針に定める施策の実施状況について、公表するものとする。

(県の率先実施)

第九条 県は、その事務及び事業に関し、次に掲げる気候変動の緩和及び気候変動への適応に関する取組を率先して実施するものとする。

 エネルギー(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(昭和五十四年法律第四十九号)第二条第一項に規定するエネルギーをいう。第四十一条第三号及び第四十四条第三項を除き、以下同じ。)の使用の合理化等の推進に関する取組

 再生可能エネルギー及び水素エネルギーの利用の推進に関する取組

 環境物品等(国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(平成十二年法律第百号)第二条第一項に規定する環境物品等をいう。以下同じ。)の調達の推進に関する取組

 自動車(道路運送車両法(昭和二十六年法律第百八十五号)第二条第二項に規定する自動車及び同条第三項に規定する原動機付自転車をいう。以下同じ。)の使用に伴う温室効果ガスの排出の抑制の推進に関する取組

 廃棄物の発生の抑制、再使用及び再生利用その他資源の有効な利用であって温室効果ガスの排出の抑制に資するものに関する取組

 県に物品又は役務を納入し、又は提供しようとする事業者の環境への配慮に係る指導に関する取組

 緑化の推進に関する取組

 温室効果ガスの排出量の埋め合わせ(排出の抑制が困難な温室効果ガスの排出量の全部又は一部に相当する量の温室効果ガスを、他の場所で森林の整備及び保全並びに再生可能エネルギーの利用等を行うことにより削減し、又は吸収することをいう。以下同じ。)の推進に関する取組

 前各号に掲げるもののほか、気候変動の緩和及び気候変動への適応に関し必要な取組

(令五条例二・一部改正)

(施策の策定等に当たっての配慮)

第十条 県は、気候変動による影響を受けるおそれがあると認められる施策又は気候変動に影響を及ぼすと認められる施策の策定及び実施に当たっては、気候変動の緩和及び気候変動への適応に配慮するものとする。

(広域的な連携)

第十一条 県は、事業者等及び関係行政機関と広域的に連携し、及び協働して、気候変動対策の効果的な推進に努めるものとする。

(気候変動対策に係る調査研究)

第十二条 県は、気候変動の現状に関する最新の情報の把握に努めるとともに、効果的な気候変動対策に係る調査研究を行うものとする。

(指針の策定)

第十三条 知事は、県民及び事業者等が気候変動対策を推進するに当たって必要な指針を定め、これを公表するものとする。

第三章 気候変動の緩和に係る対策

第一節 県民生活に係る対策

第一款 家庭生活等及び事業活動に係る配慮

(環境意識の改善)

第十四条 県民及び事業者等は、その家庭生活等又は事業活動が現在及び将来の世代にわたって気候変動に影響を及ぼし得ることを自覚し、脱炭素社会の実現に向け、必要な知識及び技能を習得することにより、自らの環境意識の改善に努めなければならない。

(生活様式等の転換)

第十五条 県民は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、その家庭生活において自らが利用するエネルギーの使用量を把握するとともに、徹底したエネルギーの使用の合理化及び効率的な利用により、温室効果ガスの排出量がより少ない生活様式の確立に努めるものとする。

2 事業者は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、その事業活動に伴うエネルギーの使用量及び温室効果ガスの排出量を把握するとともに、徹底したエネルギーの使用の合理化及び効率的な利用により、温室効果ガスの排出量がより少ない生産の様式の確立に努めるものとする。

(環境への負荷の低減に資する消費)

第十六条 県民及び事業者等は、その家庭生活等又は事業活動において、物品又は役務に係る温室効果ガスの排出その他の環境への負荷(徳島県環境基本条例(平成十一年徳島県条例第十一号)第二条第一号に規定する環境への負荷をいう。以下同じ。)の低減に資する合理的な消費として次に掲げる取組を行うよう努めるものとする。

 温室効果ガスの排出量のより少ない機器又は役務の利用

 環境物品等の積極的な選択及び利用

 県内で生産された農林水産物(当該農林水産物を原料又は材料として、県内で生産された加工品を含む。)の優先的な消費

 前三号に掲げるもののほか、環境への負荷の低減に資する取組

(冷暖房時の温度設定及び服装等への配慮)

第十七条 県民及び事業者等は、その住居又は事業の用に供する建築物の内部を冷房し、又は暖房するときの温度を、温室効果ガスの排出の抑制に資する相当な温度に保つよう努めるとともに、事業者等は、その従業員の就業中の服装等に配慮するよう努めなければならない。

(特定家庭用電気機器等のエネルギー消費効率の説明等)

第十八条 主として家庭生活の用に供する電気機器、ガス器具その他のエネルギーを消費する機械器具等であって、温室効果ガスの排出量が相当程度多いものとして規則で定めるもの(以下「特定家庭用電気機器等」という。)の販売を業とする者(店舗において販売する者に限る。以下「特定家庭用電気機器等販売事業者」という。)は、特定家庭用電気機器等を購入しようとする者に対し、当該特定家庭用電気機器等のエネルギー消費効率(特定家庭用電気機器等の一定の条件での使用に際し消費されるエネルギーの量を基礎として評価される性能として規則で定めるところにより算定した数値をいう。以下同じ。)について説明しなければならない。

2 特定家庭用電気機器等販売事業者は、規則で定めるところにより、店舗の見やすい場所に、特定家庭用電気機器等のエネルギー消費効率に関する情報を適切に表示しなければならない。

(環境マネジメントシステムの導入等)

第十九条 事業者は、温室効果ガスの排出の抑制等に関する取組を円滑かつ効果的に推進するため、環境マネジメントシステム(環境に配慮した事業活動を自主的に進めるための目標を決定し、当該目標を達成するための継続的な事業活動の改善を図る仕組みであって規則で定めるものをいう。)の導入及び推進に努めるものとする。

(製造等における温室効果ガスの排出の抑制)

第二十条 事業者は、その事業活動において製品の製造、輸入若しくは販売又は役務の提供(以下「製造等」という。)を行うに当たっては、原材料又は部品の選定から廃棄に至るまでの各過程において、温室効果ガスの排出量がより少なくなるよう努めなければならない。

2 事業者は、その事業活動において製造等を行うに当たっては、その製品又は役務の利用に伴う温室効果ガスの排出量がより少なくなるよう配慮するとともに、当該製品又は役務の利用に伴う温室効果ガスの排出に関する情報の提供に努めなければならない。

(通勤における公共交通機関の利用等)

第二十一条 事業者は、事業所の立地条件に応じ、その従業員が通勤において公共交通機関の利用、自転車の使用その他の温室効果ガスの排出の抑制に資する方法によることを促進するために必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(環境保全型農林水産業の推進)

第二十二条 農林水産業を営む者は、耕地及び農林水産業の用に供する設備の使用等により発生する温室効果ガスの排出の抑制等に配慮した生産活動を行うよう努めるものとする。

2 農業を営む者は、炭素の貯留に資する堆肥の施用等による農地の土壌管理その他の温室効果ガスの排出の抑制等に配慮した生産活動を行うよう努めるものとする。

(環境への負荷の少ない催しの開催)

第二十三条 相当程度大規模な催しを開催しようとするもの(以下「催し開催者」という。)は、催しの開催に当たっては、当該催しに参加しようとする者(以下「参加者」という。)と協力し、温室効果ガスの排出、廃棄物の排出その他の環境への負荷をできる限り低減するよう努めなければならない。

(催し開催時の公共交通機関等の利用)

第二十四条 催し開催者は、参加者に対し、催しに参加する交通手段として公共交通機関等を利用するよう周知に努めなければならない。

第二款 温室効果ガスの排出削減計画書

(温室効果ガスの排出削減計画書の作成等)

第二十五条 事業活動に伴い相当程度多い温室効果ガスの排出をする者として規則で定めるもの(以下「特定事業者」という。)は、規則で定めるところにより、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出状況並びに排出の抑制に係る措置及び目標その他必要な事項を定めた計画書(以下「温室効果ガスの排出削減計画書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。

2 連鎖化事業(法第二十六条第二項に規定する連鎖化事業をいう。)を行う者については、その加盟者(当該連鎖化事業に加盟する者をいう。)が設置している当該連鎖化事業に係る県内の全ての事業所における事業活動を当該連鎖化事業を行う者の事業活動とみなして、前項の規定を適用する。

3 第一項の規定により温室効果ガスの排出削減計画書を提出した者は、当該温室効果ガスの排出削減計画書の内容を変更したときは、規則で定めるところにより、変更後の温室効果ガスの排出削減計画書を提出しなければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

4 特定事業者以外の事業者(以下「中小排出事業者」という。)は、規則で定めるところにより、温室効果ガスの排出削減計画書を作成し、知事に提出することができる。

5 前項の規定により提出された温室効果ガスの排出削減計画書の内容の変更については、第三項の規定を準用する。

(実施状況等の報告書の作成等)

第二十六条 前条第一項の規定により温室効果ガスの排出削減計画書を提出した者は、毎年度、規則で定めるところにより、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出状況及び当該温室効果ガスの排出削減計画書に基づく措置の実施状況を記載した報告書を作成し、知事に提出しなければならない。

2 前条第四項の規定により温室効果ガスの排出削減計画書を提出した中小排出事業者は、毎年度、規則で定めるところにより、前項に規定する報告書を作成し、知事に提出することができる。

(温室効果ガスの排出削減計画書等の公表)

第二十七条 知事は、第二十五条第一項の規定による温室効果ガスの排出削減計画書、同条第三項の規定による変更後の温室効果ガスの排出削減計画書又は前条第一項の規定による報告書の提出があったときは、規則で定めるところにより、その内容を公表するものとする。

(事業活動に係る温室効果ガスの排出の抑制等に関する情報の公表)

第二十八条 特定事業者は、事業活動に係る地球環境の保全に関する活動及びその評価が適切に行われることが重要であることを理解するとともに、規則で定めるところにより、その事業活動に係る温室効果ガスの排出状況、温室効果ガスの排出の抑制等に関する取組の実施状況その他必要な情報を、自主的かつ積極的に公表するものとする。

2 第二十五条第四項の規定により温室効果ガスの排出削減計画書を提出した中小排出事業者は、前項の規定に準じて、同項に規定する情報を公表するよう努めるものとする。

(中小排出事業者に対する支援)

第二十九条 県は、中小排出事業者による温室効果ガスの排出の抑制等に関する取組を促進するため、技術的な助言その他の必要な支援を行うものとする。

(森林吸収源対策等の実施)

第三十条 特定事業者及び中小排出事業者は、温室効果ガスの排出削減計画書に定める温室効果ガスの排出の抑制に係る目標を達成する手段として、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出の抑制によるほか、森林の整備及び保全、再生可能エネルギーの利用その他の規則で定める方法によることができる。

第三款 建築物に係る配慮

(建築物に係る温室効果ガスの排出の抑制等)

第三十一条 建築物(建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第二条第一号に規定する建築物をいう。以下同じ。)を新築し、改築し、又は増築しようとする者は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、当該建築物に係るエネルギーの使用の合理化等及びエネルギー消費性能(建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律(平成二十七年法律第五十三号)第二条第一項第二号に規定するエネルギー消費性能をいう。)の向上、再生可能エネルギーの利用、資源の適正な利用その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(令五条例二・一部改正)

(建築物環境配慮計画書の作成等)

第三十二条 規則で定める規模以上の建築物の新築若しくは規則で定める規模以上の改築又は建築物の規則で定める規模以上の増築をしようとする者は、規則で定めるところにより、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため実施しようとする措置その他の建築物の環境配慮に関する事項を定めた計画書(以下「建築物環境配慮計画書」という。)を作成し、知事に提出しなければならない。

2 前項の規定により建築物環境配慮計画書を提出した者は、当該建築物に係る工事が完了するまでの間に、当該建築物環境配慮計画書の内容を変更しようとするときは、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。ただし、規則で定める軽微な変更については、この限りでない。

3 第一項の規定により建築物環境配慮計画書を提出した者は、当該建築物に係る工事が完了したときは、規則で定めるところにより、知事に届け出なければならない。

4 建築物の新築、改築又は増築をしようとする者(第一項に規定する者を除く。)は、規則で定めるところにより、建築物環境配慮計画書を作成し、知事に提出することができる。

5 前項の規定により提出された建築物環境配慮計画書の内容の変更及び当該建築物に係る工事の完了については、第二項及び第三項の規定を準用する。

6 前各項の規定は、建築物のエネルギー消費性能の向上等に関する法律第十八条第二十条の規定により同法第三章第一節の規定を適用しないこととされる建築物には、適用しない。

(令五条例二・一部改正)

(テナント等事業者との連携)

第三十三条 事業者等は、その事業の用に供する建築物の全部又は一部を賃借権その他の権原に基づき事務所、営業所等として使用して事業活動を行う者(以下「テナント等事業者」という。)がいる場合においては、当該テナント等事業者と連携して温室効果ガスの排出の抑制等に関する取組を行うよう努めるものとする。

2 テナント等事業者は、前項に規定する温室効果ガスの排出の抑制等に関する取組について協力するよう努めるものとする。

(建築物の緑化の推進)

第三十四条 県民及び事業者等は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、その所有し、又は管理する建築物及びその敷地の緑化に努めるものとする。

(建築物に係る温室効果ガスの排出の抑制等に関する情報の提供等)

第三十五条 建築物の販売又は賃貸の事業を行う者は、建築物を購入し、又は賃借しようとする者に対し、規則で定めるところにより、当該建築物に係る温室効果ガスの排出の抑制等に関する情報を提供するとともに、その内容について説明するよう努めなければならない。

第四款 交通及びまちづくりに係る配慮

(公共交通機関の利用等の促進)

第三十六条 県民、事業者等及び一時滞在者は、温室効果ガスの排出の抑制を図るため、その家庭生活等、事業活動又は滞在中の活動において移動する場合は、自動車の使用に代えて公共交通機関の利用、自転車の使用その他の温室効果ガスの排出の抑制に資する方法によるよう努めるものとする。

2 県は、自動車の使用から公共交通機関の利用、自転車の使用その他の温室効果ガスの排出の抑制に資する方法への転換を促進するため、情報の提供、普及啓発その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(環境に配慮した自動車の運転等)

第三十七条 自動車を使用する者は、自動車の使用に伴う温室効果ガスの排出を抑制するため、自動車の駐車をする場合に当該自動車の原動機を停止する等環境への負荷の低減に配慮した自動車の運転及び整備(以下「環境に配慮した自動車の運転等」という。)をするよう努めるものとする。

(環境に配慮した自動車の運転等を推進する者の選任等)

第三十八条 事業活動に伴い相当程度多い自動車を管理する者として規則で定めるものは、規則で定めるところにより、その管理する自動車を使用する者が環境に配慮した自動車の運転等をすることを推進する者を選任し、その氏名その他必要な事項を知事に届け出なければならない。

2 前項の規定による届出をした者は、その従業員に対する研修その他の温室効果ガスの排出の抑制等に資する取組を実施するよう努めなければならない。

3 事業活動に伴い自動車を管理する者(第一項の規則で定める者を除く。)は、規則で定めるところにより、その管理する自動車を使用する者が環境に配慮した自動車の運転等をすることを推進する者を選任し、その氏名その他必要な事項を知事に届け出ることができる。

4 第二項の規定は、前項の規定による届出をした者について準用する。

(自動車環境情報の説明等)

第三十九条 自動車の販売を業とする者(以下「自動車販売事業者」という。)は、製造後運行の用に供されたことがない自動車(以下「新車」という。)を購入しようとする者に対し、当該新車に係る自動車環境情報(自動車の燃費性能(自動車の一定の条件での使用に際し消費されるエネルギーの量を基礎として評価される性能をいう。)その他規則で定める事項をいう。以下同じ。)について説明しなければならない。

2 自動車販売事業者は、その販売する新車に係る自動車環境情報について、当該新車を購入しようとする者の見やすい箇所に見やすい方法で、表示しなければならない。

(自動車に係るその他の気候変動対策)

第四十条 駐車場設置者等の責務並びにこれらの者に対する助言及び指導並びに環境への負荷が少ない自動車の購入等については、徳島県生活環境保全条例(平成十七年徳島県条例第二十四号)第百三条から第百五条までに定めるところによる。

(環境に配慮したまちづくりの推進)

第四十一条 県は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、まちづくりに関する施策の策定及び実施に当たっては、地域の実情に応じ、次に掲げる事項に配慮するよう努めるものとする。

 公共交通機関の利用者の利便の増進

 都市機能の集約の促進

 電気、熱その他のエネルギーの効率的な利用の促進

 植樹、植栽その他の緑化の促進

 前各号に掲げるもののほか、温室効果ガスの排出の抑制等に資する地域環境の整備

第二節 再生可能エネルギー等に係る対策

(基本計画の策定)

第四十二条 知事は、再生可能エネルギーの利用の計画的な推進を図るため、再生可能エネルギーの利用の推進に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めるものとする。

2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

 再生可能エネルギーによる電力自給率に関する目標

 前号の目標を達成するために必要な施策に関する事項

 前二号に掲げるもののほか、再生可能エネルギーの利用の推進に関し必要な事項

3 第八条第五項から第七項までの規定は、基本計画について準用する。この場合において、同条第六項中「前二項」とあるのは、「第四十二条第三項において準用する第五項」と読み替えるものとする。

(再生可能エネルギー等の積極的な利用)

第四十三条 県民及び事業者等は、温室効果ガスの排出の抑制等を図るため、その家庭生活等又は事業活動において、再生可能エネルギー及び水素エネルギーの積極的な利用に努めるものとする。

(再生可能エネルギー等の地産地消等)

第四十四条 県民及び事業者等は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、地域において得られた再生可能エネルギー及び地域において製造された水素エネルギーを当該地域において、効率的に利用することができるよう努めるものとする。

2 県は、再生可能エネルギー及び水素エネルギーの利用に関する取組を促進するため、太陽光、風力その他の地域に存するエネルギー源が地域の実情に応じて有効に活用されるよう、県民及び事業者等に対し、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

3 事業者等は、工場等の廃熱その他の未利用のエネルギーの有効な活用に努めるものとする。

(水素エネルギーの利用の促進)

第四十五条 県は、水素エネルギーに関する技術の研究開発及び実用化を促進するとともに、水素の製造、輸送、貯蔵、利用等(以下「水素の製造等」という。)の体制の整備及び水素の製造等の各過程に関連する産業の振興が図られるよう、必要な措置を講ずるものとする。

2 県は、水素エネルギーの利用を促進し、水素エネルギーの導入等の重要性に関する県民及び事業者等の理解を深めるため、水素エネルギーに関する情報の提供及び普及啓発を行うものとする。

第三節 森林等による吸収作用の保全等に係る対策

(森林の整備及び保全の推進等)

第四十六条 県民及び事業者等は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、森林の有する二酸化炭素の吸収作用及び固定作用に関する理解を深めるとともに、相互に連携し、及び協働して、森林の適切な整備及び保全が推進されるよう努めるものとする。

2 県は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、森林の有する二酸化炭素の吸収作用及び固定作用に関する県民及び事業者等の理解を深めるために必要な情報の提供を行うとともに、県民及び事業者等と連携し、及び協働して、森林の造成、整備等に努めるものとする。

(森林資源の維持及び利用)

第四十七条 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第二項に規定する森林所有者は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、適切な森林施業(伐採、造林、保育その他の森林における施業をいう。)の実施により、計画的に適正な森林の成長量を維持し、確実な森林の再生に努めるものとする。

2 県は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、計画的な森林の整備及び保全を通じ、適正な森林の成長量を維持し、確実な森林の再生に努めるものとする。

3 県民及び事業者等は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、県産材(県内で生産された木材をいう。以下同じ。)について、その特性に応じ、製品の原材料として利用し、再使用し、及び再生利用を行う等、県産材の長期にわたる利用に努めるものとする。

(温室効果ガスの排出量の埋め合わせの推進)

第四十八条 事業者等は、その事業活動に伴う温室効果ガスの排出の抑制が困難な場合においては、温室効果ガスの排出量の埋め合わせを行うよう努めるものとする。この場合において、温室効果ガスの排出量の埋め合わせは、県内において行うよう配慮するものとする。

2 県民及び事業者等は、温室効果ガスの排出量の埋め合わせに関する理解を深めるとともに、温室効果ガスの排出量の埋め合わせに積極的に協力するよう努めるものとする。

3 県は、第一項に規定する温室効果ガスの排出量の埋め合わせ並びに温室効果ガスの排出量の埋め合わせへの理解及び協力を促進するため、県民及び事業者等に対し、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

(藻場の再生等)

第四十九条 県は、温室効果ガスの排出の抑制等に資するため、県民及び事業者等と連携して、藻場の再生、造成等に努めるものとする。

第四節 フロン類の排出の抑制等に係る対策

(フロン類の排出の抑制)

第五十条 県は、フロン類(フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(平成十三年法律第六十四号)第二条第一項に規定するフロン類をいう。以下同じ。)の使用を抑制すること及び同条第五項に規定する特定製品の使用等(同条第八項に規定する使用等をいう。以下同じ。)に際してフロン類の排出の抑制を図ることに関する情報の提供、普及啓発その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

2 県民及び事業者等は、フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律第二条第二項に規定するフロン類使用製品の使用等の際に、みだりにフロン類を放出しないよう努めるものとする。

(廃棄物の発生の抑制等)

第五十一条 県民及び事業者等は、その家庭生活等又は事業活動において、温室効果ガスの排出の抑制に資するため、廃棄物の発生を抑制するとともに、不用品の活用等による再使用を図り、廃棄物の減量に努めるものとする。

2 県民及び事業者等は、廃棄物の分別を行うとともに、再生資源に係る回収活動に参加し、又は協力すること等により、再生利用その他資源の有効な利用に努めるものとする。

3 県は、食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(平成十二年法律第百十六号)第二条第二項に規定する食品廃棄物等の発生の抑制及び減量を促進するため、同条第四項に規定する食品関連事業者、学校等に対し、情報の提供及び普及啓発を行うものとする。

第四章 気候変動への適応に係る対策

第一節 気候変動への適応に関する基本的施策

(基本的事項)

第五十二条 県は、地勢、産業、人口の年齢別構成等の地域の特性を踏まえ、気候変動の影響に係る被害の最小化及び回避並びに気候変動の影響の効果的な活用の両面から気候変動への適応に関する施策を推進するものとする。

(分野別施策の推進)

第五十三条 県は、気候変動への適応を図るため、次に掲げる施策を推進するものとする。

 水害、土砂災害その他の自然災害の予防に資する施策

 生物の多様性に及ぼす影響に備えるための生態系の保全及び再生に資する施策

 水温の上昇その他の水に係る環境の変化及び渇水その他の水資源の変化に備えるための水に係る環境及び水資源の保全に資する施策

 熱中症、感染症その他の疾病の予防に資する施策

 農林水産物の栽培技術等の開発、農林水産物の生産基盤の整備その他の食料供給の確保に資する施策

 前各号に掲げるもののほか、家庭生活等又は事業活動に関する分野であって、気候変動への適応を図るために必要な施策

第二節 県民等の理解の促進等及び調査研究

(県民等の理解の促進等)

第五十四条 県は、気候変動への適応に関する県民及び事業者等の理解を深めるため、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

2 県民及び事業者等は、その家庭生活等又は事業活動に及ぶ気候変動の影響に関する情報を収集し、気候変動への適応に関する知識及び技能の習得に努めるものとする。

3 県民及び事業者等は、気候変動への適応に資する生活様式又は生産の様式の確立に努めるものとする。

(気候変動の影響に係る調査研究)

第五十五条 県は、現在及び将来にわたる気候変動の影響に関し、地域における状況の把握に努めるとともに、当該影響に係る調査研究を行うものとする。

第五章 環境教育等の推進

(環境教育)

第五十六条 県は、次に掲げる事項に配慮し、環境教育(地球環境の保全についての理解を深めるために行われる気候変動対策に関する教育及び学習をいう。以下同じ。)を行うものとする。

 家庭、学校、事業者等及び関係行政機関がそれぞれ適切に役割を分担し、及び連携するとともに、体験学習その他の多様な方法により実施すること。

 幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的かつ継続的に実施すること。

2 県は、家庭、学校、職場、地域その他のあらゆる場において環境教育が実施され、それぞれの場に応じた適切な方法により行われるよう、必要な支援を行うものとする。

3 県民は、家庭、学校、職場、地域その他のあらゆる場において行われる環境教育に自主的かつ積極的に参加し、又は協力するよう努めるものとする。

4 事業者等は、その従業員その他の者に対する環境教育を自主的かつ積極的に行うよう努めるとともに、他の者の行う環境教育に積極的に参加し、又は協力するよう努めるものとする。

(普及啓発等)

第五十七条 県は、学校、事業者等及び関係行政機関と連携し、及び協働して、本県の特性を生かした効果的な気候変動対策に関する普及啓発を行うものとする。

2 県民及び事業者等は、前項に規定する普及啓発に係る取組に自主的かつ積極的に参加するよう努めるものとする。

3 県は、第一項に規定する普及啓発を効果的に推進するための拠点としての機能を担う体制の整備を行うものとする。

(人材育成等)

第五十八条 県は、学校及び事業者等と連携し、及び協働して、環境教育及び気候変動対策に関する普及啓発の効果的かつ適切な実施を促進するため、気候変動対策に関する自主的な活動の指導者又は専門的な知識若しくは経験を有する人材の育成及び活動の機会の創出その他の必要な支援を行うものとする。

2 県は、大学等の学生が、気候変動対策の重要性に関する理解を深め、自主的かつ積極的な行動をとることができるよう、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

(徳島県地球環境を守る日)

第五十九条 県民一人一人が気候変動対策の重要性に関する理解を深め、積極的に地球環境の保全に関する活動を行う意欲を高めるため、徳島県地球環境を守る日を設ける。

2 徳島県地球環境を守る日は、四月二十二日とする。

3 県は、徳島県地球環境を守る日の趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。

第六章 先導的な技術の活用及び先駆的な取組の実施等

(先導的な技術の研究開発)

第六十条 県、事業者等及び大学その他の研究機関は、相互に連携し、及び協働して、気候変動の緩和及び気候変動への適応に資する先導的な技術の研究開発を推進するとともに、その成果の普及に努めるものとする。

(先導的な技術及び先駆的な取組の促進)

第六十一条 県、県民、事業者等及び大学その他の研究機関は、相互に連携し、及び協働して、各主体の創意工夫を生かした気候変動の緩和及び気候変動への適応に資する先導的な技術の活用及び先駆的な取組の実施に努めるものとする。

2 県は、前項に規定する先導的な技術の活用及び先駆的な取組の実施を促進するため、情報の提供その他の必要な支援を行うものとする。

(顕彰等)

第六十二条 知事は、気候変動対策に関し、優れた功績があったと認められる県民及び事業者等に対して、顕彰を行うものとする。

2 知事は、次に掲げる者のうち気候変動対策に積極的に取り組んでいると認められるものについて、地球環境の保全に関する意識が高い者として公表することができる。

 第二十五条第一項又は第四項の規定により温室効果ガスの排出削減計画書を提出した者

 第三十二条第一項又は第四項の規定により建築物環境配慮計画書を提出した者

 第三十八条第一項又は第三項の規定による届出をした者

第七章 雑則

(徳島県環境審議会の調査審議事項)

第六十三条 徳島県環境審議会は、この条例に基づく気候変動対策の実施に関し、規則で定める基本的な事項を調査審議するものとする。

(指導及び助言)

第六十四条 知事は、県民及び事業者等に対し、この条例に基づく気候変動対策が適切に実施されるよう必要な指導及び助言をすることができる。

(報告及び資料の提出)

第六十五条 知事は、第二十五条第一項から第三項まで、第二十六条第一項第三十二条第一項から第三項まで及び第三十八条第一項の規定の施行に必要な限度において、これらの規定による提出又は届出をした者に対し、その業務又は財産の状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

2 知事は、前項の規定によるもののほか、この条例の施行に必要な限度において、県民又は事業者等に対し、気候変動対策の実施状況に関し報告又は資料の提出を求めることができる。

(勧告)

第六十六条 知事は、次の各号のいずれかに該当する者に対し、必要な措置を講ずるよう勧告することができる。

 第二十五条第一項若しくは第三項第二十六条第一項又は第三十二条第一項の規定に違反して、これらの規定に規定する書類の提出をせず、又はこれらの書類に記載すべき事項を記載せず、若しくは虚偽の記載をしてこれらの書類を提出した者

 第三十二条第一項の規定により提出した建築物環境配慮計画書の内容(同条第二項の規定により届け出たときは、変更後の内容)と異なる工事をしていると認められる者

 第三十二条第二項若しくは第三項又は第三十八条第一項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(勧告に従わない場合の公表)

第六十七条 知事は、前条の規定による勧告を受けた者が当該勧告に正当な理由なく従わない場合は、その旨を公表することができる。

2 知事は、前項の規定による公表をしようとする場合は、あらかじめ当該公表の対象となる者に対し、証拠を提出し、及び意見を述べる機会を与えなければならない。

(規則への委任)

第六十八条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第八章 罰則

第六十九条 第六十五条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは資料の提出をした者は、五万円以下の過料に処する。

(施行期日)

1 この条例は、平成二十九年一月一日から施行する。

(徳島県地球温暖化対策推進条例の廃止)

2 徳島県地球温暖化対策推進条例(平成二十年徳島県条例第四十四号)は、廃止する。

(徳島県地球温暖化対策推進条例の廃止に伴う経過措置)

3 この条例の施行の際現に特定事業者又は中小排出事業者が前項の規定による廃止前の徳島県地球温暖化対策推進条例(以下「旧温暖化対策推進条例」という。)第十九条第一項又は第四項の規定により地球温暖化対策計画書を提出している場合には、当該地球温暖化対策計画書を第二十五条第一項又は第四項の規定により提出された温室効果ガスの排出削減計画書とみなして、この条例の規定を適用する。

4 この条例の施行の際現に特定事業者又は中小排出事業者が旧温暖化対策推進条例第十九条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により変更後の地球温暖化対策計画書を提出している場合には、当該変更後の地球温暖化対策計画書を第二十五条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)の規定により提出された変更後の温室効果ガスの排出削減計画書とみなして、この条例の規定を適用する。

5 この条例の施行の際現に第三十二条第一項に規定する者が旧温暖化対策推進条例第三十三条第一項の規定により建築物地球温暖化対策計画書を提出している場合には、当該建築物地球温暖化対策計画書を第三十二条第一項の規定により提出された建築物環境配慮計画書とみなして、この条例の規定を適用する。

6 この条例の施行の際現に第三十二条第一項に規定する者が旧温暖化対策推進条例第三十三条第二項の規定による建築物地球温暖化対策計画書の変更の届出をしている場合には、当該届出を第三十二条第二項の規定による届出とみなして、この条例の規定を適用する。

7 この条例の施行の際現に第三十八条第一項の規則で定める者が旧温暖化対策推進条例第三十八条の規定による環境に配慮した自動車の運転等をすることを推進する者の氏名その他必要な事項の届出をしている場合には、当該届出を第三十八条第一項の規定による届出とみなして、この条例の規定を適用する。

8 この条例の施行前に旧温暖化対策推進条例の規定によりされた報告又は資料の提出の求め、勧告、公表その他の行為は、この条例の相当規定によりされたものとみなす。

9 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(基本方針に関する経過措置)

10 この条例の施行の際現に定められている気候変動対策に関する県の基本的な方針であって、気候変動対策を総合的かつ計画的に推進するためのものは、第八条第一項の規定により定められた基本方針とみなす。

(指針に関する経過措置)

11 この条例の施行の際現に定められている気候変動対策に関する県の指針であって、県民及び事業者等が気候変動対策を推進するに当たって必要となるものは、第十三条の規定により定められた指針とみなす。

(基本計画に関する経過措置)

12 この条例の施行の際現に定められている再生可能エネルギーの利用の推進に関する県の基本的な計画であって、再生可能エネルギーの利用の計画的な推進を図るためのものは、第四十二条第一項の規定により定められた基本計画とみなす。

(調整規定)

13 この条例の施行の日が建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律附則第一条第二号に掲げる規定の施行の日前である場合には、同日の前日までの間における第三十二条第六項の規定の適用については、同項中「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律第十八条」とあるのは「エネルギーの使用の合理化等に関する法律第七十五条第七項」と、「同法第三章第一節」とあるのは「同条第一項」とする。

(令和五年条例第二号)

この条例は、令和五年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。

 第三十一条の改正規定(「第二条第二号」を「第二条第一項第二号」に改める部分に限る。) 公布の日

 第三十一条の改正規定(前号に掲げる部分を除く。)及び第三十二条第六項の改正規定(次号に掲げる部分を除く。) 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和四年法律第六十九号)附則第一条第四号に掲げる規定の施行の日

(施行の日=令和六年四月一日)

 第三十二条第六項の改正規定(「第十八条」を「第二十条」に改める部分に限る。) 脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律の施行の日

(施行の日=令和七年四月一日)

徳島県脱炭素社会の実現に向けた気候変動対策推進条例

平成28年10月31日 条例第57号

(令和7年4月1日施行)

体系情報
第6編 生/第6章 環境保全
沿革情報
平成28年10月31日 条例第57号
令和5年3月14日 条例第2号