○徳島県消費者市民社会の構築に関する条例

平成三十年十月二十四日

徳島県条例第四十六号

徳島県消費者市民社会の構築に関する条例をここに公布する。

徳島県消費者市民社会の構築に関する条例

本県では、豊かな自然と潤いあるふるさとの風景が守られ、安全・安心な暮らしと豊かな食文化や阿波藍などの伝統文化が息づいている。また、子供たちの笑顔があふれ、未来を創造するたくましい若者が社会に巣立ち、一人一人が自立しながら支え合い、地域がつながっている。

未来においても、夢や希望に満ちあふれた活力ある徳島県として成長していくため、さらには地球規模での気候変動や世界平和、経済成長などの課題を解決するためには、人権、地産地消、環境等に配慮した商品やサービスを選択する消費行動が求められている。

ここに、誰一人取り残さない社会の形成や地球環境の保全などに配慮した思いやりのある消費行動や事業活動を県民生活に取り入れるための環境づくりを積極的に推進し、消費者、事業者、行政機関等の様々な主体が一体となって、公正かつ持続可能な社会である消費者市民社会の構築を目指し、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、消費者市民社会の構築に関し、基本理念を定め、県の責務並びに消費者、事業者及び関係団体の役割を明らかにするとともに、消費者市民社会の構築に関する必要な事項を定めることにより、消費者自らの消費生活における人権、地域及び環境に配慮した消費行動を推進し、現在及び将来の世代にわたって、公正かつ持続可能な社会の形成を図り、及びその発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 消費者市民社会 消費者教育の推進に関する法律(平成二十四年法律第六十一号)第二条第二項に規定する消費者市民社会をいう。

 エシカル消費 地域の活性化、雇用なども含む、人、社会及び環境に配慮した思いやりのある消費行動をいう。

 消費者志向経営 企業等の組織が社会の一員として、自らの活動が社会や環境等に与える影響を十分配慮し、消費者の権利を尊重し、その意向や期待にこたえることにより組織の社会的責任を果たすことをいう。

 関係団体 消費生活に関する活動を行うことを主な目的として組織された団体及び消費者市民社会の構築に関する活動を行う団体をいう。

(基本理念)

第三条 消費者市民社会の構築は、消費者一人一人の消費行動及び事業者の事業活動が将来にわたり内外の社会、経済及び環境に影響を及ぼしうることが自覚され、公正かつ持続可能な社会の実現が推進されることを旨として、行われなければならない。

2 消費者市民社会の構築は、人権の尊重や地球環境の保全、その他社会問題の解決に配慮した消費行動や事業活動により実現されなければならない。

3 消費者市民社会の構築は、県、消費者及び事業者がそれぞれの役割を果たし、相互に連携・協力して推進されなければならない。

(県の責務)

第四条 県は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、消費者市民社会の構築に関する施策を実施するものとする。

2 県は、基本理念にのっとり、市町村、消費者、事業者及び関係団体が実施する消費者市民社会の構築に関する取組を促進するため、消費者教育、情報の提供その他必要な支援を行うものとする。

3 県は、基本理念にのっとり、物品及び役務の調達に当たっては、予算の適正な執行並びに契約における経済性、公正性及び競争性に留意しつつ、地域の活性化、雇用なども含む、人、社会及び環境に配慮した調達の推進に努めるものとする。

(消費者の役割)

第五条 消費者は、基本理念にのっとり、その消費行動が人、社会及び環境に与える影響を理解し、自主的かつ合理的に行動できるよう、自ら進んでエシカル消費に関して必要となる知識の修得、情報の収集等に努めるものとする。

(事業者の役割)

第六条 事業者は、基本理念にのっとり、自ら進んで、消費者志向経営に関して必要となる知識の修得及び情報の収集並びに当該知識及び情報の事業活動への反映に努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動や消費者の行動が人、社会及び環境に与える影響についての情報提供に努めるものとする。

(関係団体の役割)

第七条 関係団体は、消費者市民社会の構築に関する取組を企画し、及び消費者の参画を得て積極的に推進するよう努めるものとする。

(徳島県消費者市民社会推進期間)

第八条 消費者のエシカル消費及び事業者の消費者志向経営の普及及び定着を図るため、五月の第二土曜日から十五日間を徳島県消費者市民社会推進期間とする。

2 県は、徳島県消費者市民社会推進期間にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。

(財政上の措置等)

第九条 県は、消費者市民社会の構築に関する施策を実施するため、必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

徳島県消費者市民社会の構築に関する条例

平成30年10月24日 条例第46号

(平成30年10月24日施行)