○徳島県新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する条例

令和二年十月十六日

徳島県条例第五十号

徳島県新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する条例をここに公布する。

徳島県新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関し、県の責務並びに県民及び事業者の役割を明らかにするとともに、クラスター発生施設の公表等及び差別的取扱い等の禁止について定めることにより、本県の社会経済活動の引上げとの両立を図りながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 新型コロナウイルス感染症 病原体がベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)である感染症をいう。

 社会経済活動の引上げ 新型コロナウイルス感染症の影響により低迷した社会経済活動を、その影響が生ずる前と同等以上の水準に引き上げることをいう。

 ガイドライン 国、県、市町村又は業界団体等(事業者が加入している団体等をいう。以下同じ。)が業種ごとに定めた新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止のための指針及びこれらを参考に各事業者において自ら作成した指針をいう。

 事業者版スマートライフ宣言 新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止のため、事業者がガイドラインに定める措置を遵守していることを示す知事が別に定める宣言書をいう。

 ガイドライン実践店ステッカー ガイドラインの遵守の徹底等により積極的に新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に取り組む事業者として業界団体等が認定した事業者に対し、当該業界団体等が配布する県が作成したステッカーをいう。

 接触確認アプリケーション 厚生労働省が提供する、スマートフォンの近接通信機能を利用することにより、人と人との接触を検知し、及び記録し、スマートフォンを使用する者が過去に新型コロナウイルス感染症の陽性者と接触したことがある旨の情報について通知を受けることができるアプリケーションをいう。

 とくしまコロナお知らせシステム 事業者が当該事業者に係る情報を県に提供するとともに、当該事業者の事業所を利用した者がその電子メールアドレスの情報を県に提供することにより、当該事業所を利用した者が新型コロナウイルス感染症に感染したことが判明した場合に、当該事業所を利用した他の者が県から新型コロナウイルス感染症の感染の可能性について注意を促す情報の提供を受けるための電子情報処理組織をいう。

 クラスター 不特定又は多数の者が立ち入り、又はとどまる施設において新型コロナウイルス感染症の患者(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号。以下「感染症法」という。)第六条第十一項に規定する無症状病原体保有者を含む。以下同じ。)が複数生じた場合における患者の集団であって、その人数が五名以上であるものをいう。

(令三条例三・一部改正)

(県の責務)

第三条 県は、本県の社会経済活動の引上げを図りながら、新型コロナウイルス感染症の発生の予防及び感染拡大の防止のための総合的な対策を実施するものとする。

2 県は、市町村が行う地域の実情に応じた新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する施策を支援するよう努めるとともに、この条例の施行に関し市町村と緊密な連携を図るものとする。

3 県は、業界団体等からガイドライン実践店ステッカーの交付の申請があった場合は、当該申請の内容を確認し、適正であると認めるときは、当該業界団体等に対し、ガイドライン実践店ステッカーを交付するものとする。

(県民の役割)

第四条 県民は、マスクの着用、手洗い及び手指の消毒の徹底、密閉された空間、密集する場所及び密接する場面(以下「三密」という。)の回避の徹底その他の新型コロナウイルス感染症の基本的な感染防止策の実践に努めるとともに、県が実施する新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する施策に協力するものとする。

2 県民は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止の観点から、事業者版スマートライフ宣言又はガイドライン実践店ステッカーが掲示されている施設の利用等に努めるものとする。

3 県民は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止の観点から、接触確認アプリケーションの利用に努めるものとする。

4 とくしまコロナお知らせシステムに接続するための情報が付された二次元コードを含む書面(以下「二次元コード」という。)が掲示されている施設を利用する者及び当該施設において開催される催事等に参加する者は、その都度、当該二次元コードに付された情報に基づいてそれぞれの電子メールアドレスの情報を県に提供することにより、とくしまコロナお知らせシステムを活用するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第五条 事業者は、事業所での三密の回避の徹底その他の新型コロナウイルス感染症の基本的な感染防止策の実践に努めるとともに、県が実施する新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する施策に協力するものとする。

2 事業者は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により生ずる影響を考慮し、当該感染拡大を防止するため、その事業の実施に関し、ガイドラインの遵守その他の適切な感染防止策を講ずるとともに、施設の入口等利用者の見やすい場所への事業者版スマートライフ宣言又はガイドライン実践店ステッカーの掲示、とくしまコロナお知らせシステムに登録した上での施設の入口等利用者の見やすい場所への二次元コードの掲示その他の適切な措置を講ずるものとする。

3 業界団体等は、当該業界団体等に加入している事業者に対し、ガイドラインの遵守その他の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を防止するための取組の実施を求めるよう努めるものとする。

(クラスター発生施設の公表等)

第六条 知事は、県内の施設において、当該施設の設置者、所有者若しくは管理者若しくは当該施設を催事等の開催のために使用する者若しくはこれらの使用人その他の従業者(以下「施設の使用者等」という。)又は当該施設の利用者に係るクラスター又はその活動の状況がクラスターを発生させるおそれのある患者(以下「クラスター等」という。)が発生した場合であって、当該施設において当該クラスター等により新型コロナウイルス感染症に感染したおそれのある全ての従業者、利用者その他の関係者に対して当該クラスター等の発生後直ちに連絡を行うことができないときその他の新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止のために必要があると認めるときは、感染症法第十六条第一項の規定に基づき、当該施設の名称、当該施設における新型コロナウイルス感染症の感染防止策の状況、当該クラスター等の発生の要因が前条第二項に規定する適切な感染防止策が講じられていなかったことと考えられる場合には、当該講じられていなかった感染防止策、その他感染を拡大させないための適切な行動を個人がとることができるようにするために必要な情報を公表するものとする。

2 県内の施設において、施設の使用者等又は当該施設の利用者に係るクラスター等が発生し、前項の規定により当該施設の名称等が公表された場合において、施設の使用者等の他に当該クラスター等の発生の原因について責めに任ずべき者があるとき又は施設の使用者等が前条第二項に規定する適切な感染防止策を講じていたにもかかわらず当該クラスター等が発生したものと知事が認めるときであって、施設の使用者等の感染症法第十五条第一項の規定に基づく積極的疫学調査の的確かつ迅速な実施への協力(当該クラスター等に係る事業者、利用者その他の関係者に対する連絡を含む。)その他の県が実施する感染拡大防止策への協力が得られるときは、県は、当該施設の使用者等が当該クラスター等の発生後に行う感染拡大防止策について必要な支援を行うものとする。

(差別的取扱い等の禁止)

第七条 何人も、新型コロナウイルス感染症の患者及び医療従事者並びにこれらの家族並びに事業者のみならず全ての者に対し、新型コロナウイルス感染症に感染し、又は感染しているおそれがあること、新型コロナウイルス感染症の感染防止策を適切に講じていないおそれがあること等を理由として、不当な差別的取扱い、誹謗ひぼう中傷その他の権利利益を侵害する行為(以下「差別的取扱い等」という。)をしてはならない。

2 県は、差別的取扱い等が行われないようにするため、新型コロナウイルス感染症に関する正しい知識の普及、差別的取扱い等の禁止に関する啓発その他必要な措置を講ずるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

(令和三年条例第三号)

この条例は、公布の日から施行する。

徳島県新型コロナウイルス感染症の感染拡大の防止に関する条例

令和2年10月16日 条例第50号

(令和3年3月19日施行)