○とくしま健康長寿社会づくり条例

令和四年三月十八日

徳島県条例第二十四号

とくしま健康長寿社会づくり条例をここに公布する。

とくしま健康長寿社会づくり条例

全国よりも高齢化が急速に進む本県では、従来からの「支えられる側」という高齢者像の転換を図ることが急務であり、高齢者を地域社会を支える「新たな担い手」としてとらえ、アクティブシニアを活用した「徳島県版『介護助手』制度」の創設をはじめ高齢者が生き生きと活躍できる施策を推進してきた。

人生一〇〇年時代を迎え、高齢者が活躍し、社会の活力を維持、向上させていくためには、高齢者が健康であることが大前提であるが、昨今、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめ社会環境が大きく変化する中で、高齢者が社会的に孤立したり、生活不活発につながりやすい状況にあり、フレイルのリスクが高まることが懸念されている。

このため、フレイルを予防し、元気に自立して日常生活を送ることができる「健康寿命」の延伸を図るための取組を強化するとともに、高齢者がこれまで培ってきた豊富な知識や経験、技能を生かし、いつまでも活躍できる環境づくりを「オール徳島」で進める必要がある。

このような認識の下、県民誰もが生涯にわたり健康で生きがいを持って生き生きと活躍できる地域社会の構築を促進するため、この条例を制定する。

(目的)

第一条 この条例は、健康長寿社会づくりの推進に関し、基本理念を定め、県の責務、市町村との連携並びに県民、関係団体及び事業者の役割を明らかにすることで、県民誰もが生涯にわたり健康で元気に活躍できる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

 健康長寿社会 生涯にわたり健康で生きがいを持って生き生きと活躍できる社会

 アクティブシニア 仕事、趣味、ボランティアなど様々な活動に意欲的に取り組む元気な高齢者

 フレイル 加齢に伴い心身の活力が低下し、入院や要介護の危険性が高まる状態

(基本理念)

第三条 健康長寿社会づくりは、次に掲げる事項を基本理念として、行うものとする。

 県民一人一人が、「栄養・運動・社会参加」の三要素を柱とするフレイル予防を実践し、生涯にわたり健康で生きがいを持って活躍できるよう、自主的かつ主体的に取り組むこと。

 県、市町村、関係団体及び事業者は、全ての県民の健康長寿と生涯活躍の実現に向けて、それぞれの役割を認識し、相互に連携協力しながら、必要な支援や社会環境の整備に取り組むこと。

(県の責務)

第四条 県は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、健康長寿社会の実現に向けて基本的かつ総合的な施策を実施する責務を有する。

(市町村との連携)

第五条 県は、市町村の果たす役割の重要性に鑑み、市町村が実施する健康長寿社会の実現に向けた施策について、市町村と連携して推進するものとする。

(県民の役割)

第六条 県民は、基本理念にのっとり、生涯にわたり健康で、アクティブシニアとして地域で活躍できるようフレイル予防の重要性を認識し、県及び市町村が実施する健康長寿社会の実現に向けた施策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(関係団体及び事業者の役割)

第七条 関係団体及び事業者は、基本理念にのっとり、それぞれの実情に応じ、県民が生涯にわたり健康に過ごすための支援、アクティブシニアが活躍する機会の提供その他健康長寿社会の実現に向けた取組を効果的に行うよう努めるものとする。

2 関係団体及び事業者は、県及び市町村が実施する健康長寿社会の実現に向けた施策に積極的に協力するよう努めるものとする。

(広報及び啓発)

第八条 県は、市町村、関係団体、事業者等と連携して、健康長寿社会の実現に向け、県民の認識と理解を深めるために必要な広報及び啓発を行うものとする。

(財政上の措置)

第九条 県は、健康長寿社会の実現に関する施策を推進するため、必要な財政上の措置を講ずるよう努めるものとする。

この条例は、公布の日から施行する。

とくしま健康長寿社会づくり条例

令和4年3月18日 条例第24号

(令和4年3月18日施行)