○徳島県動物の愛護及び管理に関する条例
平成十三年三月二十七日
徳島県条例第八号
徳島県動物の愛護及び管理に関する条例をここに公布する。
徳島県動物の愛護及び管理に関する条例
目次
第一章 総則(第一条―第五条)
第二章 動物の適正な飼養及び保管
第一節 飼い主の遵守事項(第六条・第七条)
第二節 特定動物の飼養及び保管(第八条―第十二条)
第三節 犬の飼養及び保管(第十三条・第十四条)
第四節 緊急時の措置等(第十五条―第十七条)
第五節 動物愛護管理監視員(第十八条)
第三章 動物の収容等(第十九条・第二十条)
第四章 雑則(第二十一条―第二十三条)
第五章 罰則(第二十四条―第二十七条)
附則
第一章 総則
(目的)
第一条 この条例は、動物の愛護及び管理に関し必要な事項を定めることにより、動物を愛護する気風の醸成を図るとともに、動物による人の生命、身体及び財産に対する侵害を防止することを目的とする。
一 動物 人が飼養し、又は保管する動物で、哺〈ほ〉乳類、鳥類及び爬〈は〉虫類に属するものをいう。
二 特定動物 動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号。以下「法」という。)第二十五条の二に規定する特定動物をいう。
三 飼い主 動物の所有者(所有者以外の者が飼養し、又は保管する場合には、その者を含む。)をいう。
四 飼養施設 動物を飼養し、又は保管するための工作物をいう。
(平一八条例二七・令二条例五・一部改正)
(県の責務)
第三条 県は、動物の愛護及び管理に関する必要な施策を策定し、及び実施するものとする。
2 県は、動物を愛護する気風の醸成並びに動物の適正な飼養及び保管に関する知識の普及に努めるものとする。
3 県は、市町村に対し、県が実施する動物の愛護及び管理に関する施策への協力を求めることができる。
(県民の責務)
第四条 県民は、動物を愛護するように努めるとともに、県が実施する動物の愛護及び管理に関する施策に協力しなければならない。
(飼い主の責務)
第五条 飼い主は、その飼養し、又は保管する動物の習性等を理解し、当該動物にみだりに苦痛を与えないようにするとともに、当該動物が人の生命、身体又は財産(以下「人の生命等」という。)に害を加え、又は近隣に迷惑を及ぼすことのないように努めなければならない。
2 動物の所有者は、畜産その他の正当な理由がある場合を除き、その所有する動物を終生飼養するように努めるとともに、やむを得ず飼養することができなくなった場合には、新たな飼い主を見付けるように努めなければならない。
3 動物の所有者は、その所有する動物が繁殖して自ら飼養し、又は新たな飼い主を見付けることが困難になるおそれがあると認めた場合には、その繁殖を防止するために必要な措置を講ずるように努めなければならない。
(平一八条例二七・一部改正)
第二章 動物の適正な飼養及び保管
第一節 飼い主の遵守事項
(飼い主の遵守事項)
第六条 飼い主は、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 動物の種類、発育状況、健康状態等に応じて、適正に給餌〈じ〉及び給水を行うこと。
二 飼養施設及びその周囲を常に清潔に保ち、悪臭又は昆虫の発生を防止すること。
三 動物が道路、公園、広場その他の公共の場所又は他人の土地、建物その他の財産を不潔にし、又は損傷しないようにすること。
四 動物の異常な鳴き声、体臭、体毛、羽毛等により人に迷惑を及ぼすことのないようにすること。
五 動物が逃走した場合には、自らの責任において発見し、及び収容すること。
六 離乳前の動物の譲渡を行わないこと。
(犬の飼い主の遵守事項)
第七条 犬の飼い主は、第六条各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
一 犬の種類、発育状況、健康状態等に応じて、適正に運動させること。
二 犬が道路、公園、広場その他の公共の場所においてふんを排せつした場合には、直ちに、当該ふんをその場所から除去すること。
三 人の生命等に害を加える性癖のある犬については、口輪の取付けその他必要な措置をとること。
(平一八条例二七・旧第八条繰上)
第二節 特定動物の飼養及び保管
(平一八条例二七・改称)
(許可の基準)
第八条 知事は、法第二十七条第一項に規定する基準のほか、次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、法第二十六条第一項の許可をしてはならない。
一 法第二十六条第一項の許可の申請に係る特定飼養施設(同項に規定する特定飼養施設をいう。以下同じ。)が規則で定める基準に適合しているものであること。
二 特定飼養施設を常に点検するとともに、捕獲用の機材を備え、常に使用できるように整備していること。
三 地震、火災その他の災害が発生した場合における特定動物の逃走を防止するための措置その他応急の措置が定められていること。
四 コブラその他の蛇毒を有する特定動物(以下「コブラ等」という。)の飼養又は保管をしようとする場合にあっては、そのコブラ等の蛇毒に効力を有する抗毒素血清等の救急医薬品を確保するとともに、医師による迅速な救急処置が行える体制を整備していること。
2 前項の規定は、法第二十八条第一項の許可について準用する。
(平一八条例二七・追加)
(特定飼養施設の維持)
第九条 特定動物飼養者(法第二十八条第一項に規定する特定動物飼養者をいう。以下同じ。)は、その特定飼養施設を前条第一項第一号の規則で定める基準に適合するよう維持しなければならない。
(平一八条例二七・旧第十八条繰上・一部改正)
(特定動物に係る標識の掲示)
第十条 特定動物飼養者は、その特定飼養施設の設置場所付近の見やすい箇所に、規則で定める標識を掲示しておかなければならない。
(平一八条例二七・旧第二十条繰上・一部改正)
(飼養等の作業に従事することができなくなる場合等の届出)
第十一条 特定動物飼養者(自らが動物の愛護及び管理に関する法律施行規則(平成十八年環境省令第一号。以下「省令」という。)第十五条第四項第三号の特定動物の管理責任者となっている者に限る。次項において同じ。)は、海外出張、突発事故による入院その他の事情によって二十日以上自ら特定動物の飼養又は保管の作業に従事することができなくなるとき、又は従事することができなくなるおそれが生じたときは、あらかじめ、又は当該事情の発生後速やかに、その旨を知事に届け出なければならない。
2 特定動物飼養者は、社会の慣習上又は業務の遂行上やむを得ない緊急の用務の発生、突発事故による入院その他のやむを得ない事情によって自ら特定動物の飼養又は保管の作業に従事することができなくなる場合又は従事することができなくなった場合において、特定動物の飼養又は保管の作業に従事することができる者がいないときは、当該作業に従事することができない期間が二十日未満であっても、あらかじめ、又は当該事情の発生後速やかに、その旨を知事に届け出るものとする。
(平一八条例二七・旧第二十一条繰上・一部改正、平二五条例二八・一部改正)
(許可の取消し)
第十二条 知事は、特定動物飼養者が法第二十九条各号のいずれかに該当するときのほか、第八条第一項各号に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったときは、法第二十九条の規定によりその許可を取り消すことができる。
(平一八条例二七・追加)
第三節 犬の飼養及び保管
(犬の係留)
第十三条 犬の飼い主は、次に掲げる場合を除き、その飼養し、又は保管する犬を常に係留(綱、鎖その他これらに類する物で固定した物につなぎ、又はおり、さくその他の囲いの中に収容することをいう。以下同じ。)しておかなければならない。
一 犯罪捜査その他警察用務又は狩猟のために犬を使用する場合
二 人の生命等に害を加えるおそれのない場所又は方法で犬を訓練し、又は運動させる場合
三 生後九十日以内の犬を飼い主の敷地内で飼養し、又は保管する場合
四 犬を室内で飼養し、又は保管する場合
五 その他規則で定める場合
(平一八条例二七・旧第二十四条繰上)
(犬に係る標識の掲示)
第十四条 犬の飼い主は、門戸その他他人が見やすい箇所に、規則で定める標識を掲示しておかなければならない。ただし、その犬が生後九十日以内であるときは、この限りでない。
(平一八条例二七・旧第二十五条繰上)
第四節 緊急時の措置等
(緊急時の措置)
第十五条 特定動物の飼い主は、その飼養し、又は保管する特定動物が逃走した場合には、直ちに、その旨を知事及び最寄りの警察署に通報するとともに、付近の住民への周知及び当該特定動物の捕獲又は殺処分その他の特定動物による人の生命等に対する侵害を防止するために必要な措置をとらなければならない。
2 知事は、特定動物が逃走した場合において、当該特定動物が人の生命等に害を加えるおそれがあると認めるときは、その職員に、当該特定動物を捕獲するために必要な限度において損傷させ、又は殺処分させることができる。
(平一八条例二七・旧第二十六条繰上・一部改正)
(事故発生時の措置)
第十六条 特定動物又は犬の飼い主は、その飼養し、又は保管する特定動物又は犬が人の生命又は身体に害を加えたことを知った場合には、直ちに、その事故の状況を知事に届け出なければならない。
2 前項に規定する場合において、犬が人をかんだときは、その飼い主は、遅滞なく、当該犬に獣医師による狂犬病の疑いの有無についての検診を受けさせなければならない。
(平一八条例二七・旧第二十七条繰上・一部改正)
(措置命令)
第十七条 知事は、特定動物が人の生命等に害を加えたとき、又は加えるおそれがあると認めたときは、その飼い主に対し、次に掲げる措置を命ずることができる。
一 特定飼養施設を修理し、又は改造すること。
二 特定動物を他の特定飼養施設へ移送すること。
三 特定動物を殺処分すること。
四 その他特定動物による人の生命等に対する侵害を防止するために必要な措置をとること。
2 知事は、犬が人の生命等に害を加えたとき、又は加えるおそれがあると認めたときは、その飼い主に対し、次に掲げる措置を命ずることができる。
一 犬を係留すること。
二 犬への口輪の取付けその他必要な措置をとること。
三 犬が人をかんだ場合において、当該犬に前条第二項に規定する検診を受けさせていないときは、これを受けさせること。
四 その他犬による人の生命等に対する侵害を防止するために必要な措置をとること。
(平一八条例二七・旧第二十八条繰上・一部改正)
第五節 動物愛護管理監視員
(平一八条例二七・旧第六節繰上、令二条例五・改称)
第十八条 知事は、法第三十七条の三第一項の規定に基づき、法第二十四条第一項(法第二十四条の四第一項において読み替えて準用する場合を含む。)、第二十四条の二第三項、第二十五条第五項又は第三十三条第一項の規定による立入検査並びに第二十一条第一項の規定による立入調査及び質問その他の動物の愛護及び管理に関する事務を行わせるため、動物愛護管理監視員を置く。
(平一八条例二七・旧第三十一条繰上・一部改正、平二五条例二八・令二条例五・一部改正)
第三章 動物の収容等
(犬の収容等)
第十九条 知事は、第十三条の規定に違反して係留されていない犬があると認めるときは、狂犬病予防法(昭和二十五年法律第二百四十七号)第三条第一項の狂犬病予防員(以下「予防員」という。)をして、当該犬を収容させるものとする。この場合において、知事は、予防員が行う犬の収容のため、同法第六条第二項の捕獲人(以下「狂犬病予防技術員」という。)をして、犬を捕獲させることができる。
2 予防員及び狂犬病予防技術員は、捕獲しようとして追跡中の犬がその飼い主又はその他の者の土地、建物又は船車内に入った場合において、規則で定めるところによりこれを捕獲する必要があると認めるときは、合理的に必要と判断される限度において、その場所(人の居住する家屋を除く。)に立ち入ることができる。ただし、その場所の看守者又はこれに代わるべき者が正当な理由により拒んだときは、この限りでない。
3 予防員及び狂犬病予防技術員は、その身分を示す証票を携帯し、かつ、犬の飼い主その他関係人から請求があるときは、これを提示しなければならない。
4 知事は、第一項の規定により犬を収容したときは、飼い主の判明している犬にあってはその飼い主に当該犬を引き取るべき旨を通知し、飼い主の判明していない犬にあっては当該犬を収容した旨を二日間公示しなければならない。
6 前二項の規定(飼い主の判明していない犬に係る部分に限る。)は、知事が、法第三十五条第三項において準用する同条第一項本文の規定により犬又は猫を引き取った場合及び法第三十六条第二項の規定により犬、猫等の動物を収容した場合について準用する。
(平一八条例二七・旧第三十二条繰上・一部改正、平二五条例二八・一部改正)
(薬物による野犬の掃討)
第二十条 知事は、飼い主のない犬(以下「野犬」という。)による人の生命等に対する侵害を防止するため緊急の必要があり、かつ、通常の方法によっては野犬を捕獲することが著しく困難であると認めるときは、区域及び期間を定めて、薬物を使用して野犬を掃討することができる。この場合において、知事は、人の生命等に害を及ぼさないように、当該区域内及びその近傍の住民に対して、薬物を使用して野犬を掃討する旨を周知しなければならない。
2 前項の規定による野犬の掃討及び住民に対する周知の方法は、規則で定める。
3 知事は、第一項の規定による野犬の掃討を行うに当たっては、関係市町村の長に協力を求めることができる。
(平一八条例二七・旧第三十三条繰上)
第四章 雑則
(立入調査等)
第二十一条 知事は、この条例の施行に必要な限度において、飼い主から必要な報告を求め、又はその職員に、飼養施設の設置場所その他動物の飼養若しくは保管に関係のある場所に立ち入り、飼養若しくは保管の状況を調査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。
(平一八条例二七・旧第三十四条繰上)
一 法第十条第一項の登録を受けようとする者 一件につき二万円
二 法第十三条第一項の規定による登録の更新を受けようとする者 一件につき二万円
三 省令第二条第六項の登録証の再交付を受けようとする者 一件につき三千円
四 法第二十六条第一項の許可を受けようとする者 一件につき二万円
五 法第二十八条第一項の規定による変更の許可を受けようとする者 一件につき一万円
六 省令第十五条第六項の許可証の再交付を受けようとする者 一件につき三千円
七 法第三十五条第一項本文の規定により犬又は猫の引取りを求める者 一頭につき、生後九十一日以上の犬にあっては二千円、生後九十一日未満の犬にあっては五百円、生後九十一日以上の猫にあっては千円、生後九十一日未満の猫にあっては二百円
八 第十九条第一項の規定により収容された犬、法第三十五条第一項本文(同条第三項において準用する場合を含む。)の規定により引き取られた犬若しくは猫又は法第三十六条第二項の規定により収容された犬、猫等の動物の返還を求める者 一頭、一匹又は一羽につき、七百円に収容の日数を乗じて得た額と二千三百円との合計額
(平一八条例二七・旧第三十五条繰上・一部改正、平二五条例二八・一部改正)
(規則への委任)
第二十三条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
(平一八条例二七・旧第三十六条繰上)
第五章 罰則
第二十四条 第十七条第一項の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。
(平一八条例二七・旧第三十七条繰上・一部改正)
第二十五条 第十五条第一項の規定による通報をせず、又は虚偽の通報をした者は、五万円以下の罰金に処する。
(平一八条例二七・旧第三十八条繰上・一部改正)
第二十六条 次の各号のいずれかに該当する者は、三万円以下の罰金に処する。
一 第十三条の規定に違反した者
二 第十六条第一項の規定による届出をしなかった者
三 第十七条第二項の規定による命令に違反した者
(平一八条例二七・旧第三十九条繰上・一部改正)
(平一八条例二七・旧第四十条繰上・一部改正)
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成十三年六月一日から施行する。
(徳島県犬による危害の防止に関する条例等の廃止)
2 次に掲げる条例は、廃止する。
一 徳島県犬による危害の防止に関する条例(昭和四十年徳島県条例第五十号)
二 徳島県危険な動物の飼養及び保管に関する条例(昭和五十七年徳島県条例第十一号)
(届出済証に関する経過措置)
3 知事は、この条例の施行後速やかに、この条例の施行前に法第八条第一項の規定による届出をした者に対し、第二十九条第一項の届出済証を交付するものとする。
(処分、申請等に関する経過措置)
6 この条例の施行前に附則第二項の規定による廃止前の徳島県犬による危害の防止に関する条例(以下「旧犬害防止条例」という。)若しくは旧危険動物飼養条例の規定によりされた処分その他の行為又はこの条例の施行の際現に旧犬害防止条例若しくは旧危険動物飼養条例の規定によりされている申請その他の行為は、この条例の相当規定によりされた処分その他の行為又は申請その他の行為とみなす。
(罰則に関する経過措置)
7 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(職員の特殊勤務手当に関する条例の一部改正)
8 職員の特殊勤務手当に関する条例(昭和二十七年徳島県条例第三号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
(徳島県の事務処理の特例に関する条例の一部改正)
9 徳島県の事務処理の特例に関する条例(平成十一年徳島県条例第三十号)の一部を次のように改正する。
〔次のよう〕略
附則(平成一三年七月二三日条例第二八号)
この条例は、公布の日から施行する。
附則(平成一八年条例第二七号)
(施行期日)
1 この条例は、平成十八年六月一日から施行する。ただし、次項及び附則第三項の規定は、公布の日から施行する。
(経過措置)
2 動物の愛護及び管理に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成十七年政令第三百九十号。以下「政令」という。)附則第二条第一項の規定により同項に規定する許可を受けようとする者は、改正後の徳島県動物の愛護及び管理に関する条例(以下「新条例」という。)第二十二条第一項第四号の規定の例により、手数料を納付しなければならない。
3 政令附則第二条第二項の規定により行う同項の許可については、新条例第八条第一項の規定の例による。
4 この条例の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附則(平成二五年条例第二八号)
この条例は、平成二十五年九月一日から施行する。
附則(令和二年条例第五号)
この条例は、令和二年六月一日から施行する。